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なぜマルコスは親米なのか 覇権争いが比に与える利益

2024/4/21 社会

 比の成功は日米との協力にある。そうマルコス大統領は判断した。これは、重要分野への投資という点ですぐに比に利益をもたらすだろう。日米はスービックからマニラを経てバタンガスに至る三つの主要港(スービック、マニラ、バタンガス)と三つの主要空港(クラーク、ブラカン、マニラ)をつなぐ「ルソン経済回廊」を発表。鉄道整備、港湾近代化、スービック再整備、半導体、労働訓練、アグリビジネス、クリーンエネルギー、デジタル化、供給網への投資を行う。

 5月のインド太平洋ビジネスフォーラムに伴い開催予定の3カ国間イベントでは、米国際金融開発公社などが資金を投じる巨大事業が発表される見通しだ。

 さらに、日米は比に最先端技術を導入する。その一つは、マニラを拠点としたオープンRANネットワーク構築事業だ。強靭(きょうじん)で、大きな商用展開を見据えるこの通信インフラには、日米から900万ドルの資金が提供される。また、日米の主要大学で比人半導体人材の育成を支援する。

 こうした投資は、サイバー安全保障にもつながる。首都圏には六つの国軍・国家警察の本部があり、現状、1発のミサイル、1機のドローン攻撃で司令統制機能が崩壊しかねない状況だ。

 アジアパワーバランスを考えると、外国からの投資・経済開発は地政学的・軍事的目的と統合され得る。

 米ドルで現地商品を購入できる額(購買力平価)でみた国内総生産は、中国が35兆ドルで、27兆ドルの米国を抜き既に世界一だ。

 もっとも、年間国防費は中国の2270億ドルに対し米国8320億ドルと他の追随を許さない。核兵器は米国5500発に対し中国400発、空母は米国11隻、中国は2隻。大陸間弾道ミサイル(ICBM)は米国405発に対し中国は300発だ。

 しかし一方で、総兵力は米国212万人に対し中国317万人と中国が優勢。海軍力では、艦艇数472隻の米国に対し、中国は730隻と大差をつける。いうまでもなく、海を制する者がインド太平洋地域を制する。

 中国の優勢は「軍艦外交」だけではない。一帯一路構想の下、過去10年で1兆ドル規模の投資を実施しており、途上国への影響力で優位に立つ。

 それに対し、米国主導の「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(GPII)」が2022年に発足。2027年までに6000億ドルのインフラ投資を途上国に行う。この一帯一路への対抗策も、比に利益をもたらすだろう。(18日・スター、トニー・ロペス)

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