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戒厳令関連著作の追放を懸念 マルコス新政権誕生で比大教授ら

2022/5/14 社会

新政権下で戒厳令関連著作が追放される可能性があると比大教授らが懸念を表明

 9日の大統領選の非公式集計で当選確実となったボンボン・マルコス氏が新政権でどのような閣僚陣を任命し、政策を打ち上げるかなどについて憶測が飛び交う中、フィリピン大の歴史学部で教鞭を取るフランシスコ・ギアン准教授は11日、戒厳令に関する著書が教材として、または出版界から追放される恐れがあるとの懸念を表明した。ギアン准教授は情報操作に反対する学識者たちの団体、「アカデミア・アット・バヤン・ラバン・サ・ディスインポルマション・アット・ダヤアン」の代表も務める。

 13日付の英字紙インクワイアラーによると、ギアン氏は2021年初めに共産主義勢力との軍事衝突を終わらせる国家タスクフォース(NTF―ELCAC)が全国の国立大学の図書館から「反体制的な」図書を追放する働きかけを行い、複数の大学図書館が実際に比共産党の創設者ホセ・マリア・シソン氏の著作などを閲覧不可能としたことに言及。次期政権が教育省を通じて「子どもたちに不健全で反体制的である」として戒厳令に関する著作を教育現場から締め出す可能性があることを指摘した。

 ボンボン・マルコス氏は11日、報道官を通じて大統領選の勝利宣言をした後、会見放送で大統領の娘でペアを組んだ副大統領候補のサラ氏を教育相に任命する意向を明らかにしている。一方、子ども用の文学書などを出版する国内出版会社のアダルナ・ハウスは11日、ホームページで子どもの視線から戒厳令を描いた著作集「#ネバ―アゲイン・バンドル」を20%割引きして販売すると発表した。同著作集は1986年2月のピープルパワー革命に関する写真集の「エドサ」や戒厳令下に政治囚として囚われている母親を定期的に訪問する少女の物語「イサン・ハルディン・パぺル(ある紙の庭園)」など独裁政権に反対したフィリピン人の闘いとその軌跡を描く5冊からなる。

 専門書や学術書を扱うポピュラーブックストア(ケソン市)のジェラルディン・ポー専務取締役は「これらの著作は保存するだけでなく多くの人に情報公開されるべきだ」とし「歴史に関する限り、その事実を捻じ曲げることはできない」と歴史的事実を共有することの大切さを訴えている。(澤田公伸)

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