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地位協定の足かせ 米海兵隊員有罪判決

2017/4/16 社会

 サンバレス州オロンガポ市内のモーテルでトランスジェンダーの男性を殺害したとしてオロンガポ地裁で有罪判決を受けた米海兵隊員に対する控訴審で、再び有罪判決が出された。

 この迅速な裁判は、たとえ地位協定で米軍側がフィリピン裁判に協力する期限が1年間と区切られていたとはいえ、比にとって大きな勝利だった。また、トランスジェンダーに対する被告の差別的な行動や憎しみが裁かれたことも大きかった。さらに、海兵隊の被告の同僚が検察側証人として証言したことや、本人をずっと比国軍本部内で拘置できたことも注目に値する。

 これは2005年12月に起きた米海兵隊員による比人女性レイプ事件と比較しても画期的である。この裁判では翌年、マカティ地裁が40年の禁固刑という判決を下したものの、当時の米国大使館がある夜、突然、海兵隊員の身柄を大使館に連れ戻したのである。その後、地裁判決が覆され、被害者の女性も当初の証言を変え、訴えを取り下げたのである。この時に被告の身柄を比側が確保できなかったことは、比の国内法が米兵に対して持つ権限の限界を示したのだった。

 しかし、今回の判決が米兵による同様な事件の抑止力になるのかは疑わしい。1999年に成立した訪問米軍地位協定がまだ確固とした効力を持っているからだ。これを盾に米軍は、現在も多くの米兵にレクリエーションや休息を与えるという名目で、パンパンガ州やサンバレス州に派遣して、性産業や麻薬、ギャンブルなどに向かわせているのだ。

 この協定の廃止を強く訴えていたのは故サンチャゴ上院議員だった。彼女は上院議会で協定撤廃の必要性を精力的に訴えてきた。われわれも今こそ、このフィリピン国家の主権を侵害する協定の廃止を求めようではないか。(13日・インクワイアラー)

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