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ハロハロ

2017/1/13 社会

年の瀬も迫った昨年12月21日の午後、業務・営業担当者たちが一斉に、電話を手に取り、口早に話し出した。事務所内に張り詰めた空気が広がった。「予約した集荷・配送用トラックが来ていません。これでは先方に製品(不織布)を契約期日内に届けられません」。業務責任者の表情がゆがんだ。インドネシア郵便局のクーリエ部門担当者が当社からの車両予約を日程表に入れ忘れ、しかも年末で代替車両を手配できないという。このままでは、「契約納期」を守れず、社の信用に関わる一大事。

時間が容赦なく過ぎる。辺りがすっかり暗くなっても、車両手配の見通しは一向につかない。担当者たちは取り寄せた夕食もそこそこに、受話器を再び握り、運送会社に手当たり次第、電話を入れる。その時だった。ベテラン社員が「小型トラック2台が予約可能」と声を張り上げ、上司の了解を得た。社の信用をつなぎとめる貴重な2台が工場に着き、荷を積み込み、首都ジャカルタ方面へ出発した時には、日付が替わってから2時間が過ぎていた。担当者たちの顔には安堵(あんど)感とともに、疲労の色が濃く浮かんでいた。

 大役を果たした社員の大半は自家用オートバイでの帰宅だが、さすがに真夜中すぎの時刻、女性が1人運転で戻るのは危険すぎる。入社2年目の女子社員(19)が携帯電話で父親に迎えを頼み、「工場前にいる」との返事にびっくり。実は、父親は前日の午後7時、この末娘の遅い帰宅を心配、工場に迎えに来ていた。しかし、仕事が延び続けたため、同社員は父親にいったん家に戻り、待つよう伝えていた。だが、実際には父親は家に戻らず、何と7時間以上もの間、工場前で「娘の終業」が何時になってもいいよう、待ち続けていたのだ。社の日常業務が社員たちのこうした「家族愛」にも支えられている一面を垣間見た。(道)

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