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ハロハロ

2015/11/2 社会

 未(ひつじ)の年は古来、諸事平穏に時が流れ、安泰に終わるといわれるが、今年は世の中が騒然とし、事件事故が多かったような印象がある。午(うま)年の去年は、波乱の年になるのではと思っていたが、どうやら今年の方が多事多難だ。

 記憶に残るのは9月、茨城県・鬼怒川の堤防が集中豪雨で決壊し、常総市を襲った大水害だ。濁流が家々を流し去り、屋根の上で助けを呼ぶ住民の生々しいシーンがテレビ中継され、国民が釘付けになった。これも9月だったが、東京・永田町を舞台に安保関連法案が成立。19日の午前2時すぎ、参院本会議で可決された。国会の外では「戦争法案を廃案に」と主婦やサラリーマンも連日駆け付けたが、結果は予測できていた。戦後70年の足跡をたどりながら、歴史の転換点がこうもあっけなく来ていいものかと思った。

 日本の社会は大きく変わりつつあるようだ。非正規労働者の数が全労働者の4割に近づき、働き方が平成10年代とは激変した。小さい子を持つ両親が働いており、それも深夜勤務で家に不在のケースも多くある。それを反映するような事件が8月に起きた。大阪府寝屋川市の中学1年の男女が殺害された事件だった。中学生が午前1時や2時の時間帯に外出したまま家に戻らず、親も子どもの面倒を見れないという現実が進行していた。常識が通用しない社会になりつつあるのか。来年は申(さる)年。細かく動きまわらなければならない、今以上にせちがらい年になるのだろうか。(新)

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