Logo

13 日 マニラ

32°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,840
$100=P5,695

13 日 マニラ

32°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,840
$100=P5,695

比らしさとは 悪習慣の見直し

2015/8/3 社会

 マニラ空港第3ターミナルの建設工事中、2006年の開業目前に屋根の一部が落下する事故があった。その時、あるテレビ局のアナウンサーは「フィリピンならではですね」と皮肉ったコメントをしていた。13年、ビナイ一族が副大統領から下院議員まで、多くのポストを独占した時も「比ならでは」と国民は冷笑した。

 結婚式やワークショップが1時間遅れで始まると、皆、頭をかきながら腕時計を見て「フィリピンタイムですね」と笑い、乱暴な運転をする運転手を見ては「比だなあ」とつぶやく。しかし、これらは本当に「比ならでは」であり、「比らしさ」なのだろうか。良くないと分かっていることを「らしさ」と言い換えているに過ぎないのではないか。

 ナイジェリアにも「ナイジェリア・タイム」が存在し、インドネシア、オーストラリア、英国にも同じような言い方が存在するという。汚職国家や世襲政治、さらに空港の屋根の落下事故も、世界のどこかで発生している。時間を守れず、汚職がはびこり、点検が行き届かないといったことは、必ずしも「比ならでは」ではないようだ。

 比国民の誰もが、多くの島々と美しい海、豊かな自然を誇りに思っている。各地には違った伝統が受け継がれ、スペインや米国、中国に影響を受けた食文化や宗教や祭りは、紛れもなく素晴らしい「比ならでは」であり、「らしさ」である。

 時間や法律、約束を守れない人や政治家を、比人の負の典型例として当てはめてしまい、低品質で保守点検が行き届かない状態を「比らしさ」として見過ごすのではなく、改善していく姿勢が必要ではないか。そうでなければ汚職だらけの政治、規則や時間を守れない比人であり続けることになる。(7月30日・インクワイアラー)

おすすめ記事

職員20人、業者4社を告発 治水事業汚職でディゾン大臣

2025/9/13 社会 有料
有料

独立委員会設置を命令 治水事業疑惑で大統領

2025/9/13 社会 有料
有料

少年劇団が降伏式再現 ネグロス戦勝80周年記念式典

2025/9/13 社会 有料
有料

文化遺産と観光政策の将来 比の世界遺産候補地シライ

2025/9/13 社会 有料
有料

「スパゲッティ電線」規制を バギオ市長

2025/9/13 社会 有料
有料

連載・行雲流水 第146回 比米日のわだかまり

2025/9/13 社会 有料
有料