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比中めぐる米国の狙い

2014/3/17 社会

比米関係

 アキノ大統領によると、西フィリピン海(南シナ海)スカーボロ礁で1月27日に中国海警局に追い出されそうになった比船舶の船員は宣誓供述書で、中国側が使用したのが放水砲ではなく、ただのホースだったと供述したという。いずれにせよ、この一連の出来事は西フィリピン海をわが物にしようとする中国の比へのいやがらせだ。

 中国との対立改善で東南アジア諸国連合(ASEAN)を頼りにすることは難しい。他の諸国にとってこの問題は自分たちの利益にならないからだ。

 米国に頼れば、比米相互防衛条約の下で相当な対価を支払わなければならない。米国は比の海岸線におけるプレゼンスを強化したがっている。それは自分たちの利益のためだ。決して我々の利益のためではない。米国の利益とは、西フィリピン海での航行の自由と障害のない通商だ。中国は米国にそれを保障していないだろうか。いや、しているに違いない。

 中国の国営通信社、新華社は1月28日、中国が資金提供する海洋掘削調査チームが香港から西フィリピン海に向かって出発したと報じた。31人の地質学者が62日間かけて3カ所で堆積物や岩盤を調査する。そしてその調査団には我々の同盟国である米国の掘削船と米人科学者9人が加わっているのだ。

 米国が比とは関係なく西フィリピン海で利権を得ることができるのならば、なぜ米国は比とのプレゼンス強化に力を入れているのだろうか。

 米国の地域政策委員会委員長のスティーブ・チャボット下院議員の発言はその理由を言い表している。

 「アジア太平洋地域は将来、国際経済を動かす中心地となる。そして、世界の地理的役割を塗り替える可能性がある」(11日・マラヤ、レイ・アルシラ氏)

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