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ハロハロ

2014/1/20 社会

 ノーベル文学賞を受賞した川端康成に『眠れる美女』という小品がある。並の作家ならポルノもどきになりかねない題材なのだが、あやうい風情を醸し出しつつ繊細で気品あふれる仕上がりだ。大作『百年の孤独』で知られるコロンビアのノーベル文学賞作家、ガルシア・マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』を読んでいたら、「この書を『眠れる美女』に捧げる」という一文が、表紙の扉裏に添えられていた。それで川端の小品を読む気になった。

 地元の図書館の開架棚にたまたま川端の全集がなく、司書に頼んで探してもらった。奥の書架から運ばれてきた分厚い書をひと目みて驚いた。川端が自筆で書いた原稿用紙を綴じた体裁の一冊だったからである。もちろんコピーだが、肉筆と見まがうばかりで、川端の推敲(すいこう)の跡が読み取れる。全集の小品の活字と照らし合わせれば、川端の加筆訂正が全て分かる。なぜ小出版社が、こんな酔狂なことをしたのか? 好事家の間で一定の売れ行きが見込めると考えたのであろう。後年、東京・神田の古本屋で、目が飛び出るほどの値がついているのに出合った。

 新年早々、日本から友人が来比した折り、久しぶりにマニラ市内のカラオケ店に連れ立って出掛けた。『眠れる美女』談義で盛り上がっていたら、カラオケ嬢たちから「クレージー!」と一蹴された。(邦)

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