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「政変は民主主義」

2012/9/3 社会

新最高裁長官の信条

 セレノ新最高裁長官が就任後初の声明で、「威厳ある沈黙を守る」と言明したのは、人前で話すと自滅を招くようなことを口走る天賦の才があるからだろう。

 就任後に初めて行った演説では、一握りのエリート層が憲法に反する手法で、マルコス、エストラダ両大統領を退陣させたアキノ政変(エドサ革命、1986年)とエドサ2(2001年)を「民主主義の実演」と言い切って見せた。

 特に、エストラダ政権に引導を渡したエドサ2は、エリート層と軍部による事実上のクーデターであり、パルマ元最高裁判事(2006年死去)が「法の支配を無視した、力の支配」と嘆いた違憲行為であった。

 エドサ2当時、アロヨ政権誕生を支えたカトリック教会や故アキノ元大統領はその後、「エドサ2は間違いだった」と悔いた。しかし、政変に合憲のお墨付きを与えた最高裁だけは今もなお、その判断を改めようとはしない。

 定年退官を迎える30年までの18年間、セレノ新長官は「法の支配を侮ることこそが民主主義」と信じ続けるのだろうが、その信条を示すような出来事が11年11月にあった。

 アロヨ前大統領が出国を試みた際、最高裁の出国監視措置解除命令を無視するよう、アキノ大統領とデリマ司法長官に促したのが新長官だった。セレノ新長官任命を大統領に働き掛けたのは、デリマ長官で、近く最高裁判事に任命されるだろう。

 16年の次期大統領選も心配だ。アキノ大統領は前回の選挙運動中に「私が当選できなかったら、エドサ(政変)を起こすよう呼び掛ける」と他候補を脅したが、次期選挙で後継候補が落選した場合、「黄色い群衆」と最高裁長官による違憲行為が繰り返される恐れがある。(8月31日、トリビューン)

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