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威嚇強める中国

2012/4/23 社会

西比海領有権

 ガスミン国防長官は、国軍を近代化しなければ西フィリピン海(南シナ海)における中国の威嚇を阻止できないと語った。国防長官だから、この発言は理解できる。確かに、国軍に信頼に足る抑止力があれば、中国は比の領土に侵攻して来なかったかもしれない。

 他方、国防長官は国軍の利益のために、行き過ぎた発言をしたのではないか、との疑念がある。スカーボロ礁には実際、海軍最大のフリゲート艦「BRPグレゴリオ・デル・ピラール」という抑止力が存在していた。だから、比海軍兵士が中国漁船1隻に乗り込み、違法に捕獲した海産物を見つけたのだ。

 しかし、その後到着した中国監視船2隻が自国船員の身柄拘束を阻止した。比中双方のにらみ合いが数日間続いた後、比はフリゲート艦を現場海域から引き揚げ、中国漁船8隻は、違法に捕獲した海産物を積んだまま逃げ去った。

 確かに、抑止力は機能しなかった。それは信頼性に欠けていたからだ。あるいは、中国が比の警告を無視したのは、比側には必要な軍事力も政治的意志もないと読んだからだろう。 

 アキノ大統領は、スカーボロ礁問題で中国と開戦するつもりはない、と宣言した。緊張緩和に向けて、軍艦を沿岸警備隊の巡視船に交代させた。比政府はまた、同環礁の領土問題を解決するため、国際海洋裁判所(本部=ドイツ・ハンブルク)に共同提訴するよう呼び掛けた。自国に利点がないので、中国は比提案を無視するだろう。

 結局、比は中国を何とか交渉のテーブルに着かせなければ、何も変わらない。さもないと、中国は紛争水域を引き続き、自国領土として扱い、比はまるで侵入者のような立場に置かれ続けるだろう。(18日・スタンダードトゥデー)

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