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国民共通の価値観で

2011/7/11 社会

ダバオ市長の暴力事件

 強制退去命令の執行猶予の要請を拒んだ地裁職員をサラ・ドゥテルテ・ダバオ市長が4回にわたり殴った事件はテレビで報道され、全国的な話題となった。翌日、同市長は謝罪し、政府機関による調査を容易にするため休職すると発表した。これらは市長としての義務や政治的人気より重要な「法による統治」があることを認識していることを示しており歓迎できる対応だ。

 しかし、市長が最初に自分を擁護するために見せた高慢さはこれらの対応と対照的だった。彼女は当初、裁判所について自分の考えを語っており、彼女の行動の真の特質を示していた。裁判所が職員に対する彼女の対応を法廷侮辱罪に当たるとして召喚しても「全然気にしない」と言ったのだ。そしてさらに「自分たちの予算にさよならしろ。自分を侮辱罪で召喚するなら、私も法廷を侮辱罪で召喚する。明日から彼らにはガソリンもないし、手当も出ない」と地裁を名指し非難した。

 次の日には「発言は間違っていた。謝罪を受け入れて欲しい」と自分の表明を繕ったが、この法廷に対する言葉の暴力は、裁判所職員に対する実際の暴力と同じものだ。それは自分と違う考えを持つ他の政府機関に対して暴言や暴力を繰り出す地方首長の姿である。  

 市長が地裁職員に命令の執行を2時間猶予して欲しいと要請したのは理解できる。強制退去をめぐり暴力沙汰に発展する恐れがあった。鉄砲水による被災住民への対応にも追われていた。しかし、目的が何であれこの手段は正当化できない。かつて処刑団が暗躍したこの都市で、脅しが対話に取って代わることはあってはならないのだ。ネット調査では市長の行動に判断を下せるのはダバオ市民だけという意見があったが、国民共通の価値観で判断すべきだ。(4日・インクワイアラー)

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