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ハロハロ

2011/2/14 社会

 インドネシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア諸国を訪れた際、必ず目にするのが一家を束ねる主婦たちのはつらつとした、どこまでも明るく元気な姿。東京・足立区に住む友人のインドネシア人一家にこのほど、1歳半になる孫の世話を兼ねてジャカルタから「肝っ玉祖母」がやって来た。南国生まれには身にこたえる寒さにもめげず、孫を保育園に預けている間の自由な時間を使い、電車に乗っては近隣の町に出掛け見聞を広めている。

 この小柄な「肝っ玉祖母」が楽しんでいるのが駅ビルやショッピングモール巡り。「品数が豊富で、店員さんも親切」と話し、そこで味わった「異文化体験」をユーモア交じりで話してくれる。中でも気に入ったのがマフラーなど編み物の実演。販売員の手になるカラフルなマフラーが目にとまり、「売ってほしい」と片言の英語と覚えたての日本語を駆使して直談判。「試作品で売り物ではない」と断られると、今度は販売員を説き伏せ、編み方を教えてもらったという。

 この武勇伝に在日10年を超える娘(次女)さん、それに東京工業大学に留学中の長男らも腹を抱えて大笑い。すると、やおら立ち上がった肝っ玉祖母が、押し入れの荷物の中から編みかけのマフラーを取り出し、「バグスヤ(いいでしょう)」と自慢げに披露。再度の爆笑が収まるころ合いを計ったように、「でも、編み方を習うのに夢中になり過ぎて孫を保育園に迎えに行く時間に大遅刻したのよ」と娘さん。これにはさすがの「肝っ玉祖母」も返す言葉を失っていた。(道)

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