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ハロハロ

2009/9/14 社会

 最近、「世間いや『世界』は広いようで狭い」ことを身をもって体験した。同僚の誘いを受け、「アジアのノーベル賞」と言われる「マグサイサイ賞」を受賞したビルマ人へのインタビュー取材に同行した時のことだった。取材相手のカ・ソ・ワ氏(39)は環境・人権保護に向けた非政府組織(NGO)を立ち上げ、ビルマからタイに抜ける天然ガスパイプライン建設に伴う環境・森林破壊、さらに森林を居住地とする少数民族の強制移住に反対する運動を主導。加えて、タイ側の国境でビルマから避難してきた子どもたちへの教育も続けている。

 現在の活動もさることながら、興味を引かれたのが受賞者紹介に記されていたその経歴。ビルマ最大都市、ラングーン(現ヤンゴン)出身で、学生当時の1988年、民主化運動に加わった。その後、軍事政権の厳しい弾圧を受け、タイ国境付近のジャングル地帯に逃れ、そこで活動するビルマ反政府武装組織に合流した︱︱とあった。経歴に目を通し終えた直後、10年前にシドニーで取材したもう一人のビルマ人男性のことが鮮明によみがえった。この男性からもカ・ソ・ワ氏と全く同じ体験を聞かされたからだ。

 カ・ソ・ワ氏へのインタビューが一息ついたところで、今もシドニーでビルマ民主化運動に取り組む知人男性の本名を出してみた。 カ・ソ・ワ氏の表情が一瞬、和らぎ、「○○○のことですね」の言葉が返ってきた。「○○○」は同男性が当時の民主化運動で使っていたもう一つの名前。それ以上詳しくは語らなかったが、2人が知り合い同士なのは分かった。21年前、祖国民主化に青春をかけた2人のビルマ人が今も、同じ熱い思いを持ち続けていることに、感動した。(道) 

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