ミンダナオ地方のサンボアンガ半島とスルー諸島の近海は、工業用などに加工される海藻の一大収穫地。中でも海藻の一種、ツノマタなどの収穫量は全国の七五%を占めている。
一︱十月の海藻収穫量は五千六十八トンと前年同期に比べ約倍増。今年は海藻の価格も高く、一トン当たり二千九百ドルで取り引きされた。この結果、収益も一千二百六十万ドルに達する好調ぶり。
海藻は乾燥された後、国内の加工業者に引き取られ、練り歯磨き、シャンプー、塗料、医薬品の安定剤などに使われる。
業界が懸念しているのが、海藻資源の減少と世界経済不況に伴う需要減。このため業界は乱獲禁止と利用範囲の多様化を図る方針を打ち出している。(16日・ブレティン)