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ハロハロ

2007/12/17 社会

 ベルリン映画祭に招待された比映画「トリブー」を英語字幕付きで観た。マニラのスラム街として世界的に有名なトンド地区の生態を描き、フィリピン人の体臭が染みつくようだ。クライマックスとなるちんぴら集団のけんかがリアルで、すさまじい。ナイフで首をえぐる、拳銃で撃たれて倒れた相手をめった突きにする。「死んじまってるから止めろよ」と仲間が声をかける。

 上映後にリビラン監督と観衆の一問一答があったが、興味津々だった。トンドには不良学生組織を含めて十一の暴力集団がある。土地の有力者もこうした組織上がりで、ロケの話をつけてくれ、本物の若いならず者たちが出演した。主人公の父親も本物の屠(と)殺人で、昔、エストラダ前大統領の映画に出ていたという。ちんぴらたちの理想の職業は警察官だそうだ。観衆の比人女性が「銃を持てるし、コトン(腐敗行為)ができるしね」と口をはさんだ。

 若者の飲み会の中心はラップだ。酒のサカナもろくにないから、代わり番にうっ屈した心情を歌詞に託す。同監督の話では、こうした無名のラッパーたちがトンドには百人いるという。英語の字幕では伝え切れない歌詞が多いらしいが、それでもすばらしい。映画の最後、コールセンター勤めの娘をジプニーまで送った純真な若者も巻き添えで殺されてしまう。トンドの夜明けはいつ来るのだろうか。   (水)

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