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ハロハロ

2006/3/20 社会

 民事事件の判決公判は、刑事事件と違って、裁判長が主文だけを読み上げて終わることが多い。傍聴人は席の温まる暇もないほど電光石火の裁判劇で終着、判決文は書面で関係人に渡される。裁判長は担当している民事事件の判決公判をまとめて同じ日時に指定することが多い。一件落着すると、同じ法廷で関係者が忙しく入れ替わり、次の判決公判が始まる。

 先日、東京高裁で比人女性と日本人男性の間に生まれた男児の日本国籍確認訴訟の控訴審判決があった。「原判決を取り消す。被控訴人の請求を棄却する」。裁判長の読み上げた主文は四十一文字、開廷からほんの数秒で閉廷した。「終わったのですか」。傍聴席にいた隣の比人女性が聞いてきた。「日本国籍を認めない一審の逆転判決です」と話すと、「厳しいですね」とうなだれた。

 この比人女性の長女も日本国籍確認を求めて東京地裁に仲間九人と集団提訴している。二人の子どものうち、長女は出生後に認知されたためフィリピン国籍、二女は出生前認知で日本国籍を取得している。「国籍法で父親の認知が胎児の時と出生後で違うことを知らなかった」と比人女性は訴え続けてきた。どういう判決が出るか。集団提訴から約一年後の今月二十九日、判決公判が開かれる。(富)

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