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ハロハロ

2005/12/26 社会

 「早苗田も実り田もあるクリスマス」首都圏近郊でいま、稲刈りと田植えが同時に見られる。日本とは異なる、そんな自然の営みや風土を十七文字にしているのがマニラ俳句会の会員。Eメールで投句する帰国組も含め、毎年千三百を超える句が寄せられるという。会員は日本の季語に加え、熱帯の植物などを「マニラ季語」に選んで、フィリピンを詠む。その中のいくつかを紹介しながら、この一年を振り返ってみたい。

♢ 

 「ダプダプ花青田の道をいろどりぬ」乾季の一月、まず目についたのがダプダプの真っ赤な花。日本でデイゴと呼ぶ沖縄の県花。今年は害虫に侵されて枯死する大木が目立ち、ニュースになった。来年の開花が気になる。「バナバ咲き子らはカラバウ追うてをり」バナバがピンクの花を咲かせると乾季も終わりに近い。例年より暑い夏だったと記憶するが、ゴールデンシャワー、火炎樹など熱帯の花は色鮮やかだった。

 そして雨季。「袈裟(けさ)がけに闇裂く光雨季に入る」九月、背丈が三メートルもあるススキに似たタラヒブが白い穂をなびかせた。「マキリンを背にタラヒブの白き風」十一月から北東の季節風に。「昨日とは違う風吹く苅田道」雨季が明けても、日本での大雪と符節を合わせるように大陸の寒気団が雨をもたらした。日本で誰もが経験した年の瀬の気ぜわしさが、ここにはない。「爆竹と紅白だけの大晦日」(濱)

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