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教育の意義を否定

2002/3/11 社会

UP兄弟会殺人事件

 ケソン地裁はこのほど、殺人罪に問われたフィリピン大学(UP)の学生兄弟会メンバー五人に終身刑を言い渡した。五人は一九九四年に同大学ディリマン校敷地内で敵対する兄弟会のメンバー(22)を襲い、野球のバットなどで殴り殺した。

 メンドーサ裁判長は「十四年間の裁判官生活の中で一番つらい判決言い渡しだった。だれが有罪かということは証拠からして明白だった。しかし、将来有望な若者を刑務所に送り込むには心を強くする必要があった」と話した。

 また、同裁判長は、「殺されたものだけでなく、有罪判決を受けたメンバーもまた、犠牲者だ」と語り、兄弟会がメンバーに強要しているゆがんだ価値観を非難した。

 フィリピンの最高学府、同大学に難関を突破して入学した将来有望な学生達。彼らがなぜ、殺人に手を染めるようなことになってしまったのだろうか。

 答えは同裁判長が非難した兄弟会の単一的な価値観にある。兄弟会では勇気や忠誠、規律が尊ばれる。しかし、彼らにとって勇気とは敵対するメンバーを襲うこと、忠誠とは仲間が間違っていてもかばうこと、規律とは体罰を横行させることにほかならない。暴力が横行する気風が育てられているのだ。

 教育の根源的な意義が個性を伸ばすことにあるとするなら、兄弟会のやっていることはまさにそれを否定するものだ。個性を破壊し、個々の価値観をなくしてしまう。

 UP事件は別の事件とともに当時、学生兄弟会の持つ暴力的体質を鮮明にした。同裁判長が今回、心を強くして「行為者」ではなく、実際に行われた「行為」に基づいて正しい判決を下したことを評価したい。(3日、インクワイアラー)

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