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UPディリマン校図書館

2000/6/25 社会

貴重な戦時記録を収蔵

 ケソン市ディリマンのフィリピン大学(UP)ディリマン校。四百九十三ヘクタールの広大な敷地に芝生や樹木が青々と覆い茂る緑豊かなキャンパスだ。UPは一九〇八年に創立されたフィリピン初の国立大学。戦後の四九年に開校されたディリマン校には医学部や農学部などを除く大半の学部がある。学術研究のメッカとなっている同校の図書館は、学部や研究所付属のものとメーン図書館を合わせ計二十九もあり、蔵書数は百万冊に上るという。

 クリーム色の外壁と西洋古典建築風の柱が目を引くメーン図書館の建物。研究者や学生らが一日平均二千人ほど来館する。フィリピンの図書館の中でも資料と蔵書の数はトップクラスだ。

 地階の一隅に貴重な資料を複写したマイクロフィルムを保管し、閲覧させる映像サービス部があり、約一万三千本のフィルムが収蔵されている。この中に、太平洋戦争勃発の四一年から四五年の終戦にかけての戦争報道の記事の複写を見つけた。

 十一本を数えるフィルムには、当時フィリピンで発行されていた新聞、米軍が敗走する日本軍に向けて空中散布した印刷物などが複写されている。新聞や雑誌の報道内容からは日本軍の言論統制の厳しさがうかがえる。フィルムの大半は内外の収集家からの寄贈という。

 閲覧したい資料をフィルムリストの中から検索し、つい立てで仕切られた個人用のブースでフィルムを映写機にセットし投影する。「カラカラカラ」と映写機の回る音が響く。フィルムの巻き戻しなどの操作はすべて利用者の手作業だ。

 この資料フィルムの中に、「VISAYAN SHIMBUN」と名付けられた新聞があった。一部五センタボで全六ページ。セブ市で発行された英字紙だ。四三年四月四日日曜日の一面のトップ記事は、ソロモン沖海戦に関する記事だった。前日の大本営発表として伝えられ、「ソロモン諸島沖で帝国海軍機が米軍機四十一機を撃墜した」との見出しが踊っていた。映像部担当の司書によると、日本語の発表文を英語に翻訳し、フィリピン人向けに発行していたものという。

 一方、図書館を利用していた教育学部四年のジョン・レイエスさん(28)は「フィリピンの民話を研究中。マイクロフィルムにイロコス地方の民話資料があった」とうれしそうだった。メーン図書館は、UP関係者以外にも毎週水曜日に一般開放されている。 (二階堂安宏)

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