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ロラズハウス

2000/5/28 社会

女性の自立を促す家

 フィリピン大学ディリマン校のキャンパスにほど近い、ケソン市役所南側に位置する同市セントラル地区。この閑静な住宅地の一角に非政府組織(NGO)の事務所兼宿泊施設、「ロラズハウス」がある。「ロラ」とはフィリピン語で「おばあさん」の意味で、施設はフィリピン人元「従軍慰安婦」と彼女らを支援する市民たちの活動拠点となっている。

 戦時下に性奴隷にされたという歴史を証言する家であると同時に、日本や米国をはじめ女性の地位向上のための運動に関心を持つ若者たちが集う交流の場でもある。百平方メートルほどの敷地の半分は庭とコンクリート床のオープンスペースになっており、五十人以上は十分に収容できる。

 ここで、月一、二回、首都圏に住むメンバーのロラたち約五十人が三々五々集まり、今後の活動予定の説明を受けたり、近況を話し合ったりしている。こんな集いに、日本人や米国人などの若い外国人女性が参加し、この女性NGOの活動を盛り上げている。ロラの体験を聞き取り、冗談を交わすなど、それぞれ自分なりのスタイルで交流している。

 スタッフの一人、リチェルダ・エクストレマドゥーラさん(48)は「日本政府へ戦後賠償を求める闘いはもちろん大切だ。だが、それだけではない。世界の女性運動を活発にするために私たちに何ができるのか。若い人たちと議論することも多い」と述べた。

 昨年八月にはフィリピン系米国人の高校生や大学生ら五人が来比し、約一カ月間ロラたちとともに過ごした。その一人、大学で映画を専攻している女子学生(24)が最近、「ロラズハウスで撮った交流の様子をドキュメンタリーフィルムとして映画祭に出品したい。出演者のおばあさんらから許可がほしい」と米国から電子メールを寄せた。

 ロラズハウスの食堂兼事務所として使われている部屋にはおみやげコーナーもある。ロラの描いた絵をもとに日本で出版されたスケッチ集や写真入りはがきなどが売られている。また、壁にはロラが制作したキルト作品なども飾られている。

 二年前にやはりここで一カ月滞在したのは横浜市在住の西海香恵さん(26)。滞在体験から、英国留学から帰国してすぐにフィリピン支援のNGOに参加した。「ロラとともに過ごし団結した女性の力を感じた。これがきっかけで女性の立場を高められる活動をしたいと思ってきた」と語っている。  (澤田公伸)

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