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マラテ・ペンション

2000/2/13 社会

若者の新人気スポット

 マニラ市内アドリアティコ通りは、中国、フランス料理をはじめ、世界中の料理が楽しめるレストラン街だ。週末の夜には通りの両側が路上駐車で埋まり、おしゃれなグループ、カップルでにぎわっている。

 戦前の高級住宅街だった一帯が、レストラン街へ変ぼうしたのは一九八〇年代。その中心となったのが、西洋人の長期旅行者らに人気の安宿「マラテ・ペンション」だ。

 バンコクの「カオサン・ロード」、ジャカルタの「ジャラン・ジャクサ」など、アジアの主要都市には安宿を泊まり歩く長期旅行者らが集まるホテル街がある。

 しかし、マニラにはバンコクやジャカルタに匹敵するホテル街は形成されなかった。旅行者を狙う窃盗団が鳴り響くマニラは、フィリピンの地方と外国を結ぶ通過点とされたためだ。その中で、唯一においを感じさせるのがこのペンションだ。戦前に建設されたアパートを八〇年にホテルに転用。ドミトリー(相部屋)中心の「チープホテル」(安宿)として始まった。

 「開業当初、盗難などのトラブル続出に対処するため、思い切ったルールを導入したことが功を奏した」と、開業以来勤務している女性マネジャー、ミラさん(44)は言う。

 宿泊客以外が入れるのはロビーまで。「安全な安宿がない」と言われたマニラで、宿泊客の利便性を犠牲にしたことがかえって西洋人旅行者をペンションに集中させていった。

 周辺にあった同クラスの安宿は既に姿を消し、いつの間にかほぼ独占状態に。その傍ら毎年のように改装工事を続け、ドミトリーはオープン当時の半数以下の四部屋まで縮小。シャワー付きの個室が主流となり、外観もコロニアル風に変わった。

 宿泊客相手の簡易レストランも装いを変え、九七年までにイタリア料理「パトリコ」、フィリピン料理主体の「サイドバー」、中庭を囲む「グラスハウス」が出そろう。それとともに流行に敏感な若者の人気スポットとなった。かつて西洋人租界の感があった同ペンションだが、今ではレストランの客の八割をフィリピン人が占める。 

 西洋人宿泊客らに交じってグラスハウスでテーブルを囲んでいたフィリピン人女性客は、「学生時代から月に数回は週末の夜をここで過ごしている。雰囲気がいいし、フィリピンじゃないみたい」という。

 ここ最近、周辺におしゃれな飲食店が相次いでオープンし、一気に華やかさが増した。同ペンションは、周囲を触発しながら変化を続けている。(松澤信彦)

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