上院のエスクデロ上院議長が8日、解任された。治水事業を巡る汚職問題に関与した疑惑が浮上したことを受け、前任のズビリ上院議員=24年5月に議長を突如解任=が解任動議を出し、承認された。後任は、上院少数派(野党)院内総務のソット議員が選出された。
ソット氏はドゥテルテ政権で上院議長を経験。2022年の統一選挙では副大統領選挙に立候補したもののサラ現副大統領に敗れた。直近の中間選挙ではマルコス陣営から出馬し、上院への復帰を果たしていた。
自身の解職動議の採択後、エスクデロ議員は「私は多数派の意向に従って職務を遂行しており、同僚の大多数の決定を理解し、尊重する。恨みや悪感情は一切はない」と述べ、後任として上院議長に選出されたソット氏に祝意を表した。
一方、少数派代表から議長に返り咲いたソット氏は、就任演説で、「本日私の宣誓をとり行ったエスクデロ上院議長、そしてこの極めて重要かつ困難な時期に、この尊い議会を再び率いる私の力に信頼を寄せてくれた同僚、深く謙虚な気持ちと心からの感謝を表する」と述べた。
その上で、「上院が協力的でありながら独立性があり、バランスが取れ、透明性があり、誠実であり続けるよう、私は自分の能力の範囲内で全力を尽くす」と決意を表明した。(竹下友章)