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ドゥテルテ家勢力拡大 中間選挙、リベラル派復調

2025/5/14 政治
巨大スクリーンに大きく映されたドゥテルテ氏のイラストの前で同氏の象徴「フィストポース」を取る上院候補ら=8日、首都圏マニラ市で竹下友章撮影

オランダで勾留中のドゥテルテ氏はダバオ市長当確。副市長、ダバオ2選挙区のドゥテルテ家が占める。一方、リベラルも復調

12日に投票が行われた中間選挙で、ダバオ市長選に立候補しているドゥテルテ前大統領が2位の候補に8倍以上の票差を付け、当選を確実にした。麻薬戦争下で発生した超法規的殺害に絡み、3月に国際刑事裁判所(ICC)に逮捕されオランダ・ハーグで勾留されたままの同氏だが、勾留されながら市長職に就くシナリオが実現間近となっている。ドゥテルテ氏以外にも同陣営は勢力を拡大。一方リベラル勢力も復調の兆しを見せた。反政権票が、ドゥテルテ・リベラル両方に流れたとみられる。

 ダバオ副市長選に出ている次男セバスチャン氏(現市長)は2位の候補と8倍差、再選をかけダバオ第1区から出ている長男のパオロ・ドゥテルテ現下院議員も4倍の票差を付け、それぞれ当確。パオロ氏の長男オマール・ドゥテルテ氏は、長年ガルシア家の牙城だったダバオ第2区でジャビ・ガルシア候補に1・8倍差を付け、当選の勢いだ。政党リスト「ドゥテルテ・ユース」も、前回の12位から2位に躍進。ドゥテルテ・ユースはマルコス大統領への弾劾の告発状提出に取り組んでいる新ドゥテルテ政党だ。

 上院の12改選議席のうち、トップ当選を確実にするボン・ゴー上院議員をはじめ、5議席の確保を確実にしたサラ副大統領は「結果はわれわれが望んだものとは違った」としながら、「これから政府の責任を追及し、強力で建設的な『野党』として働く」と宣言。上院非改選組の中には「ドゥテルテ・チルドレン」の1人ロビン・パディリャ議員(PDPラバン党首)がおり、サラ氏が7月に上院で直面する弾劾裁判で無罪を勝ち取るために必要な9人の確保は現実的との見方も広がっている。

 ▽リベラルの復調

 今回の中間選挙の結果は、多くの世論調査とは異なるものとなった。民間調査会社パルスアジアのホームズ代表はまにら新聞の問い合わせに対し、「このような結果は初めてだ」と戸惑いを隠さない。

 大きな「サプライズ」となったのは、故ノイノイ・アキノ元大統領のいとこのバム・アキノ氏(元上院議員)が2位当選を確実にしたことだ。同氏は、1983年に追放先の米国から暗殺を覚悟して帰国し、実際にマニラ国際空港で飛行機のタラップを降りた時に何者かによって射殺され、「マルコス独裁政権」崩壊のきっかけを作った故ニノイ・アキノ元上院議員(コリー・アキノ大統領の夫)の甥であり、ノイノイ・アキノ元大統領のいとこ。2028年の大統領選に向け、リベラル勢力の旗手となりえる人物として存在感を示した。

 さらに、2022年の統一選でロブレド前副大統領のペアとして副大統領選に出馬し、落選していた野党・自由党名誉総裁のキコ・パギリナン前上院議員も5位当選。地元のナガ市長選に立候補していたロブレド前副大統領は90%以上の得票率を得、13日に勝利宣言を行った。

 下院20%の比例枠を争う政党リスト党の中では、南シナ海の領有権問題に取り組み注目を浴びた社会民主主義党「アクバヤン」が前回の58位から、得票率トップに躍進。対照的に、同じく南シナ海問題に取り組むトレンティーノ上院議員(マルコス陣営公認候補)は上院選では25位と落選確実だ。同じ愛国心や反中感情に訴えた中でも、明暗が別れた。

 政党リスト党「ML」の第一候補として立候補していたドゥテルテ氏の「政敵」レイラ・デリマ元上院議員も当選を確実にした。

 上院選の公式当選発表は、今週末に行われる見込み。(竹下友章)

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