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防衛協力強化で意見交換 比日防衛閣僚が会談

2022/10/7 政治
握手する浜田防衛相 とファウスティノ国防相(右)=9月30日、米国ハワイ州(比国軍提供)

ファウスティノ国防相はハワイで浜田防衛相、マールス豪国防相と会談。防衛協力強化で一致

 比国防省のアンドロン報道官は5日、ファウスティノ国防相が先月30日に米国ハワイ州米軍インド太平洋軍司令本部を公式訪問した際、日本の浜田靖一防衛相、豪州のマールス国防相=副首相兼任=と会談していたことを明らかにした。中国の脅威、対米軍事同盟という共通項を持つ3国の防衛閣僚がさらなる防衛協力強化に向け議論を行った。ハワイでは、太平洋の島しょ国への影響力を強めている中国を念頭に防衛協力強化に向けた日米豪の防衛担当閣僚間会合が開かれており、同じタイミングでファウスティノ氏も訪問、オースティン米国防長官と会談している。

 ファイスティノ国防相と浜田防衛相は、東シナ海、南シナ海を巡る最近の安全保障上の展開や、海上共同作戦、技術移転、全レベルでの対話などを通じた比日防衛協力の強化方法について意見を交換。さらに「比日2国間関係を一層強化し、安全で安定した環境の確保を目指す両国の努力を互いに支援するための別の協力フレームワーク」についても議論した。

 4月に開催された第1回比日外務・防衛閣僚会合(2プラス2)では、「相互訪問および後方支援分野における物品・役務の相互提供を円滑にするための枠組みを含む」協力強化を検討することで合意しており、物品役務相互提供協定に加え、共同訓練や災害対応を円滑化する協定締結に向け具体的な議論が交わされたとみられる。

 比日両政府は2016年に防衛装備品・技術移転協定を締結。同協定に基づき、日本初の完成装備品の移転となる警戒レーダーの輸出が比に行われる見込み。レーダー1基目は今月4日に完成。航空自衛隊は比空軍の要員を教育課程に受け入れ、レーダー使用に関する訓練を実施している。

 ファウスティノ国防相はマールス豪国防相とも会談。アジア太平洋地域の安全保障状況に関する意見を交換し、海上共同作戦、対テロ訓練、共同の課題に関する対話・相談などを通じ2国間関係の強化を進めることで一致した。

 豪州は太平洋戦争中の日本軍の南進や冷戦期の東南アジア地域での共産主義の活発化など安保上の脅威が南シナ海から来た歴史的経緯があり、また南シナ海航路が同国貿易量の6割を占めるとされることから、南シナ海の安全保障を重視する。

 比豪両政府は1995年に防衛協力に関する覚書を交わし、合同防衛協力委員会を設置。12年には比豪相互訪問軍地位協定(SOVFA)を締結。最大の比米合同軍事演習「バリカタン」にも参加する。(竹下友章)

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