在フィリピン駐在員らのラグビーチーム「マニラハポンズ」などが27日、台風ヨランダ(30号)で被災したビサヤ地方レイテ州タナワン町で、被災者の子供たち向けにラグビー教室を開いた。教室後は参加した子供達150人にラグビーシャツ約500着などを寄贈、参加者に炊き出しをして鶏肉料理などを振る舞った。
参加したのはハポンズ部長の奥野芳彦さん(46)ら18人。ハポンズが集めた募金を被災地の復興に役立てようと企画した。会場の同町モホンの小学校に集まったのは、ラグビーのルールを知らない子供達が大半。しかし、午前10時から午後2時までの約4時間、初めてのラグビーに汗を流した。
東京都台東区でラグビーショップ「ニュージーランド・ラグビー・オンライン」を経営する小澤響平さん(38)は、台風ヨランダの被災地を初訪問し、日本ではすっかり報道されなくなったレイテ州の様子を目の当たりにした。「びっくりしました。タクロバン空港は壁もない。復興はまだまだと感じた」と小澤さん。
感染症の研究者として、被災後レイテ州で公衆衛生の調査をした経験がある、ハポンズの玉記雷太さん(40)は「被災者の子供達が楽しそうにプレーしてくれて良かった」と語った。
元青年海外協力隊らで構成されるボランティア団体「サマカナ」も協力。子供達にラグビーシャツのほかに、スニーカー約120足が手渡された。