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新聞論調

2009/11/2 気象・災害

地方自治体の無策

 1991年にビサヤ地方レイテ島オルモックを襲った水害は、台風オンドイ(16号)やぺペン(17号)より壊滅的な被害を住民に与えた。この水害を含め、後に同島のギンサウゴンやルソン地方ケソン州インファンタ町で発生した地滑り災害などを調査した国連の調査団員の一人は「当時も今も誰も聞く耳をもたない」と政府や地元自治体の無策ぶりを嘆いている。

 台風オンドイの1日の降雨量は400ミリだったが、オルモックの水害は午前中の3時間だけで600ミリに達した。約4千人の死者の多くは川沿いの不法占拠住民たちでわずか10分間に水位が7メートルまで一気に上がり、鉄砲水に飲み込まれたのだ。

 オルモックの水源地域は1920年代から商業伐採や土地転売が繰り返された。河川の下流域も有名リゾートの建設を含めたインフラ事業の結果、コースが付け替えられている。下院の水害調査委員会の審議では水源地域の土地所有者リストの公開を同委員長が拒否した。リストを用意した環境天然資源省幹部には有力者から脅迫電話が入った。土地所有者リストの顔ぶれは、最近、国軍幹部が新たに加わった以外には昔と変わっていない。

 ミンダナオ島の読者から「何人ものアキノ上院議員やビリヤール上院議員が大統領を務めたとしても、町の支配者の顔ぶれが変わらない限り、改革は実現しない」という意見が寄せられた。町の有力者たちは町長職を一族の間でたらい回ししているだけ。別の読者は「米国でアロヨ大統領と一緒に豪華夕食に預かったノグラレス下院議長は費用を返済すると約束したが、まだ一銭も納税者に返還されていない」と告発する。有権者の1票で今こそ改革を実現すべきだ。(10月29日・インクワイアラー)

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