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「金子差入店」は刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する“差入店”を営む一家の絆を描くヒューマンサスペンス。主人公の金子真司を約8年ぶりの映画主演となる丸山が演じるほか、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海(DISH//)、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣、岸谷五朗、名取裕子、寺尾聰が出演する。主題歌はSUPER BEAVERが書き下ろした「まなざし」。

ステージに登場した丸山は「どうも、“SUPER”EIGHTの丸山です。今まで映画公開に向けていろいろな場所で広報活動をしてきましたが、今日は“SUPER”で言ったら大先輩のSUPER BEAVER先輩も登壇されるということで特別な日になると思います」と冗談めかしつつ観客に挨拶。これに「やめてくださいよ!(笑)」と照れた様子の渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)は、「まずは公開おめでとうございます」と古川監督を労い、「このような人間を主軸にした素晴らしい物語の一端を担うことができてすごく光栄に思っています。ありがとうございます」と述べた。

公開初日に映画館に足を運んだという丸山は、SNSでも反響を検索していたと話し、「感想を見ていると“まなざし”という言葉を使っている人が非常に多かったです。感想を書きたいという欲求が搔き立てられる映画であり主題歌なんだなと、うれしかったですね」と主題歌について言及。渋谷は「すごくうれしいです。僕たちは人の縁でつながることを一番大事にしているので、つながりの中で主題歌のオファーをいただけたこと、人の血潮を感じる作品に関われたことは光栄のひと言に尽きます」と喜びを語った。

続いて柳沢亮太(G)も「(監督から)『ぜひSUPER BEAVERに主題歌をお願いしたい』というお手紙をいただきまして。その手紙には映画のことだけじゃなく、古川監督の生き方とかこれまでの歩みみたいなこともつづられていて、映画を通じて伝えたいことがにじみ出ていると感じました。実は自分のすぐ隣で起こっているかもしれない人間模様というか、暗さの中にかすかに感じる温かさのようなものを映そうとしている監督の思いを受け取ることができたので、そういったものを音楽で表現できたらと思って作らせていただきました」と主題歌に込めた思いを明かした。
一方丸山は主題歌について「言葉の並べ方やチョイスが独特なアーティストやなと前から思っていたんです。どの世代にも届くわかりやすい言葉を使っているんだけど、ちゃんと考えさせられる。聴けば聴くほど奥に迷いこんでいくような不思議な楽曲だと思っています」とコメント。古川監督は「僕が必死になって2時間に詰め込んだものを、たった4分ですべて描き切っている」と絶賛したうえで、「自分は作詞家にはなれないと決心がつきました」と吐露していた。

また映画タイトルにちなみ、「主演の丸山に差し入れしたいものは?」という質問に登壇者が答えるコーナーも展開。真木の「母親のような温かい“まなざし”を差し入れたい」という抽象的な回答に対して丸山は、「現場でもすでにまなざしていただいていたんですが、追いまなざしがくるということで……」と「まなざし」をいじる2人の会話に、渋谷が思わず「“まなざす”ってなんですか!?」とツッコむ場面もあった。高校3年生の川口は「たこ焼きヘアバンド」と回答。「丸山さんはいつも明るく現場を盛り上げてくれるんですけど、朝のメイクのときだけは見たことがない真顔だったので、たこ焼きヘアバンドを着けたらいつもの丸山さんらしさが出ると思う」と知られざる舞台裏のエピソードを暴露して会場の笑いを誘った。

古川監督は「次回作……」と出演を匂わせたかと思わせつつ「の鑑賞券」と冗談を飛ばして丸山に「鑑賞券かーい!」と突っ込まれていた。さらに寺尾は「ATELIER Zというブランドのベース。ショートスケールのものを1本プレゼントします」と、架空の話ではない差し入れを約束。舞台挨拶の前に寺尾からこの申し出を受けたという丸山は「やったね!」「思い切り自慢します」と歓喜した。最後に丸山は「この映画はどんなときに観るか、誰と観るかで見え方が変わります。なのでぜひ一度と言わず二度三度と観ていただけたらと思います」メッセージを送り、イベントを締めくくった。
提供元:音楽ナタリー