アニメ「交響詩篇エウレカセブン」のバンダイナムコグループブースでのステージイベント「『交響詩篇エウレカセブン』20周年スペシャルトークショー」が、東京・東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2025」内で、去る3月23日に行われた。イベントには、レントン役の


2005年4月17日のテレビ放送開始から、今年で20周年を迎える「交響詩篇エウレカセブン」。4月より20周年プロジェクトが始動し、関連商品の販売に加え、イベント・催事を展開していくことが決定している。今回のイベントに先立ち、三瓶、名塚には事前にQ&A方式のアンケートを実施。「レントン・エウレカの一番思い出深いエピソードは?」「この作品のMVPだと思うキャラクターは?」「20年経った今でも忘れられない出来事は?」「今でも忘れらないひと言 / 今改めて思うことは?」という質問と、その回答をもとにトークが繰り広げられた。

レントン・エウレカの一番思い出深いエピソードについて、三瓶、名塚は偶然にも第1話「ブルーマンデー」を選出。三瓶は、「改めて振り返ったときに、第1話でのレントンとエウレカの衝撃的な出会いは、みんなとまた共有したいという思いがあって選びました。ホランドが冒頭で言う『最悪だ……』と、レントンの目線からの『最悪だ』が重なって。でもレントンはエウレカが出てきたときに、全部『最高』に変わる。そういう少年らしさが微笑ましくもあり、この怒涛の出会いの第1話に、『エウレカセブン』らしさが詰まっているなと思いました」と、選んだ理由を説明する。また名塚が第1話を選ぶと思っていなかったと驚く三瓶。名塚も「別々にアンケートを取ったのに」と衝撃を受けながら、「やっぱり出会いのシーンが一番印象に残っているし、改めてあのちぐはぐな出会いから最終話までの流れを考えたときに、すべてのスタートがここからだったんだなって」と返した。

「この作品のMVPだと思うキャラクターは?」という質問には、それぞれ第3位まで回答。三瓶は第1位にゲッコーステイトのメンバー、第2位にホランド、第3位にチャールズ夫妻、名塚は第1位にホランド、第2位にアネモネ、第3位にバックミュージックを挙げる。複数人を含む三瓶の回答に思わず、「ズルくない?」とツッコむ名塚。三瓶から「選べなくない?」と言われると、名塚は納得しながら自身が挙げた第3位のバックミュージックについて触れ、「音楽が素晴らしいだけではなく、音楽が助けてくれるところもいっぱいあったので、そういう意味では私の中で音楽はキャストの1人というか。外せないなと思って、入れさせてもらいました」と述べる。この流れから「推しのキャラクターは誰か」と聞かれた南プロデューサーは、「ユルゲンスですね」と即答。「軍人なんだけど、家に帰るとあったかいお父ちゃんみたいな。そういうのが垣間見えて好きでしたね」と語った。

続く「20年経った今でも忘れられない出来事は?」という質問についても、三瓶、名塚は2005年に大阪・大阪城公園西の丸庭園で開催された「MBSアニメフェス2005 大阪城エクスペリメント 真夏の夜の夢」での生アフレコと、同じ回答を提示。三瓶、名塚、南プロデューサーは、「暑かった」「きれいに夕焼けが見えてすごい景色だった」と振り返る。また三瓶はステージに立ったときのことを「すごく緊張したし、演じている間は何をやっているのか全然わからなくて。セリフも汗も涙も全部出し尽くしました。普段のアフレコとは違う熱量を感じたというか。不思議な体験でしたね」と回顧。名塚も「ステージ上で長い時間の生アフレコをやったのはおそらく初めてで。普段の収録のときはブースにいるから、前から見られることってないんですよ。あれだけのお客さんに前から見られてるっていう緊張感もあって、すごく印象に残っていますね」と頷く。南プロデューサーは、MBSアニメフェスの翌年、2006年開催の「ソニーミュージックアニメフェス」での朗読を取り上げ、「あのときのシナリオは、京田知己監督が描き下ろしたんですが、TVシリーズが終わった後だったので、その集大成という感じのシナリオになっていた。2人は全部思い出しながらやってるんだろうなと、お父さんは裏で見守っていました」と言って、笑顔を見せた。

いよいよ「今でも忘れらないひと言 / 今改めて思うことは?」という最後の質問に。アニメの放送当時19歳だったという三瓶は、「今思い返すと伸び伸びと演じられるよう、大人の皆さんにすごく守られていたんだなって感じますね。大人の現場ではあるんですが、宮野(真守)くんとか若い子がいると、ムーンドギーとギジェットがいるような雰囲気になって、ゲッコーステイトの中で過ごしているような楽しさがありましたね」と口にする。デューイ・ノヴァクを演じた故・藤原啓治の言葉「悔しいから負けられない」を挙げた名塚。名塚は「私と三瓶ちゃんがアフレコしている姿を見ていたときに、そういう気持ちになったと啓治さんが話してくださって。本当に贅沢な言葉をいただいたと思っています。私たちも後輩の背中を見守りながら、引っ張って行けるような存在になっていけたらいいな」と語りかける。南プロデューサーは、企画の立ち上げの頃に思いを馳せながら「毎日放送の竹田靑滋さんに相談したところ、『全国ネットで1年やろうや』って言われて。ゾッとしつつも、オリジナルのロボットアニメーションをそんなに作れない時代にチャレンジできるというので盛り上がった気がしますね」と述懐した。

イベントでは、リバイバル上映となる「リバコメ!!×TVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』放映開始20周年記念イベント」や、20周年記念展の開催といった新情報を発表。オープニング主題歌「DAYS」を担当したFLOWからはお祝いコメントが到着し、そのコメントの内容は、三瓶がレントンの声で読み上げた。最後の挨拶となり、南プロデューサー、名塚、三瓶は、「交響詩篇エウレカセブン」への深い思いを語りながら、これからも応援してほしいとメッセージを贈る。そして名塚、三瓶は去り際に声を合わせ、TVシリーズではおなじみのセリフ「つづくっ」を披露し、ステージを後にした。
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提供元:コミックナタリー