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中村は2014年7月のグループ結成当初からのオリジナルメンバー。鶴見は結成後すぐの2014年10月、清水は2017年8月に予科生から正規メンバーに昇格し、3人それぞれ長年にわたり虹コンを牽引してきた。グループにとっての大きな節目となった日比谷野音公演は2日間でセットリストが大きく異なり、メンバーや虹コンだいすきマン(虹コンファンの呼称)の思いがこもった充実のライブに。真冬の野外公演ながら会場全体に心地よい熱気が満ちた。この記事では2日目公演の模様をレポートする。
冬空の下でサマーチューン連発
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2日目公演は「やるっきゃない!2018」で勢いよくスタート。「THE☆有頂天サマー!!」「in(door)the Summer」と序盤からライブの人気曲が矢継ぎ早に畳みかけられた。夕方の開演時刻から少し時間が経つと空が暗くなり始め、鮮やかな照明で照らされたステージ、その上で歌い踊るメンバーの存在がより一層際立つ。これまで数え切れないほど多くのライブを沸かせてきたキラーチューン「トライアングル・ドリーマー」では、鶴見が「虹コン大好きだー!」と笑顔いっぱいに叫んだ。初日公演の序盤のブロックでは今の季節にぴったりなウインターソングが何曲も披露されたが、2日目は「愛をこころにサマーと数えよ」を皮切りにサマーチューン4曲が冬空の下で響く。「世界の中⼼で虹を叫んだサマー!」のイントロでは、中村が「私をアイドルにしてくれてありがとう!」と感謝の思いをマイクに乗せた。
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その後のMCで清水が「私たちが大好きな虹コンがたくさん詰まった曲を、たくさん集めてきました!」と語った通り、まさに集大成のようなセットリストとなったこの日のライブ。アグレッシブなバレンタインソング「戦場の聖バレンタイン」、クールな色彩の照明が疾走感を演出する「chaos and creation」と続き、パフォーマンスの迫力が右肩上がりに増していく。「†ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†」曲中のセリフパートでは鶴見の鬼気迫る咆哮が炸裂し、「ぼくらのターン」の冒頭では虹コン屈指の歌唱力を誇る清水が伸びやかで芯のある歌声をアカペラで響かせた。また、中村のしなやかでキュートな歌とダンスもいつも以上に輝きを放っていた。
公演終盤に詰め込まれた特別な楽曲たち
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ライブが終盤に差しかかると、虹コンは活動における大切な局面でしか歌ってこなかった「⼼臓にメロディー」、メンバーがタイトルを考案した切なくエモーショナルなナンバー「夢の輪郭」を歌唱。続く「BE MYSELF」はアイドルを卒業した10年後の虹コンメンバーが昔を懐かしみながら歌っているという内容の楽曲で、ディスコサウンドの明るい曲調ながら、センチメンタルな思いが歌詞ににじむ。「響け!ファンファーレ」を晴れやかに歌ったのち、鶴見は「どんなときも大好きな仲間たちと全力で駆け抜けたら、こんなに最高の景色が待ってました!」と虹コンだいすきマンへの感謝の気持ちを口に。そして清水が「今この瞬間が楽しくて……ここで歌って踊ってたいって思うけど、私たちは未来に向かって進みます」と涙ながらに決意を口にしたのを合図に、虹コンは「サマーエンドシンフォニー」を披露。手をつないで客席にお辞儀したり、メンバー同士で抱き合ったりと、卒業しても心はつながっているというメッセージを虹コンだいすきマンに伝えると、希望を描いた最新のウインターソング「Aurora Orchestra」でライブ本編を終えた。
3人が最後に語ったメッセージ
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ステージ上のスクリーンに中村、鶴見、清水の過去の姿を切り取った懐かしの映像が映し出されたのち、アンコールは新曲「君の明⽇が晴れるなら」で開幕。曲の終盤、3人はステージ中央に並び、「君の明日を晴らすから もっと先まで 一緒にいていいかな 笑い合えるかな」という歌詞を晴れ晴れとした表情で届けた。2日間にわたる日比谷野音公演のラストを締めくくったのは、まっすぐに愛を伝えるサマーチューン「すべてが虹になるサマーっ!」。中村の「人生で一番濃くて熱い真夏の夢をありがとう」という言葉をきっかけにパフォーマンスが始まり、曲中には卒業メンバーに鮮やかなメンバーカラーの花束が手渡された。
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虹コンとしての最後の曲を歌い終えると、清水は「ここにいる大事なメンバーに出会えて、そしてみんなに出会えて、本当に幸せで素敵な夢でした。私の歌、届きましたか? ここにいたこと、私は絶対に忘れないから、みんなも絶対にわすれないでね!」と客席に呼びかける。中村は「朱里推しのみんなへ。朱里はみんながいたからここまでがんばることができました。あなたの言葉、行動、幸せそうな顔、それが朱里の力になっていました。ここまで応援してくれて、支えてくれてありがとう。大好きだったよ。朱里との思い出が一生の宝物になりますように」としっかりと自身の思いを伝え、鶴見は「この道を選んでよかったと、この場で言えることを誇りに思います。そして、私は私自身の、虹コンの幸せのために次の世界へ進みます。そこに皆さんの幸せもあったらなと思っているので、これからも虹のコンキスタドールと私たち3人のことをよろしくお願いします。幸せな夢のような10年半を本当にありがとうございました!」と笑顔を咲かせた。
日比谷野音での2DAYS公演を成功させ、涙と笑顔を交えながら卒業メンバー3人を送り出した虹コン。彼女たちは3月から5月にかけてライブツアー「虹のコンキスタドール SPRING TOUR 2025『君の明日が晴れるなら』」を開催する。
セットリスト
「虹のコンキスタドール 真冬の野音2days『真夏の夢は単純じゃない!』」日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
2025年2月8日
01. Aurora Orchestra
02. パウダースノーランデブー
03. ふたりのシュプール
04. Snowing Love
05. 想いが積もる、午前2時
06. 恋・ホワイトアウト
07. おやすみタイムマシン
08. レベルアップ
09. 美味いものファンクラブ
10. レトルト~華麗なる愛~
11. 君のこと好きなのバレてます!?
12. 本命ショコラティエ
13. Luv♡Unbalance
14. 週刊少年少⼥アイドル
15. 奇跡100%
16. ずっとサマーで恋してる
17. 限りなく冒険に近いサマー
18. キミは無邪気な夏の⼥王
19. マイレージラブサマー
20. サマーとはキミと私なりっ!!
21. サマーエンドシンフォニー
<アンコール>
22. キミは夏のレインボー
23. トライアングル・ドリーマー
2025年2月9日
01. やるっきゃない!2018
02. THE☆有頂天サマー!!
03. in(door)the Summer
04. キョーリョク・パートナー
05. パラドキシカル・コンプレックス
06. トライアングル・ドリーマー
07. 愛をこころにサマーと数えよ
08. ずっとサマーで恋してる
09. 世界の中⼼で虹を叫んだサマー!
10. サマーとはキミと私なりっ!!
11. 戦場の聖バレンタイン
12. chaos and creation
13. パラダイスな⽚思い
14. バラバラバランス・ダンス
15. †ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†
16. ぼくらのターン
17. ⼼臓にメロディー
18. 夢の輪郭
19. BE MYSELF
20. 響け!ファンファーレ
21. サマーエンドシンフォニー
22. Aurora Orchestra
<アンコール>
23. 君の明⽇が晴れるなら
24. すべてが虹になるサマーっ!
虹のコンキスタドール SPRING TOUR 2025 「君の明日が晴れるなら」
2025年3月30日(日)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
2025年4月13日(日)愛知県 THE BOTTOM LINE
2025年5月3日(土)大阪府 GORILLA HALL OSAKA
提供元:音楽ナタリー