日本武道館にたどり着くまでの紆余曲折
さかのぼること約2年半前の2022年9月、Appare!は東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演のステージで「私たちAppare!は日本武道館を目指します」と宣言。その日から7人が夢を叶えるまでの紆余曲折の日々が始まった。今から1年前の2024年1月28日、Zeppツアーのファイナル公演にてその年の8月16日に日本武道館公演が行われることが発表され、メンバーと竹の子(Appare!ファンの呼称)は喜びのあまり感涙。しかしいざ迎えたライブ当日、台風7号の接近に伴う公共交通機関の運転計画の発表を受け、観客の安全を最優先に考えた結果、開催中止という苦渋の決断に至った。
7人は大きく落胆するも、自分たちの気持ちを竹の子に届けるため、ライブの開演が予定されていた時刻に日本武道館から生配信を実施。くじけそうになった心を立て直して「次こそは絶対に玉ねぎ食べるぞ!」と声をそろえ、観客とともにこの会場に戻って来ることを誓った。そして再び夢に向かって前進し始めた中で、日本武道館でのリベンジ公演の開催が決定。「REVENGE!武道館」と題したライブ企画などを通して団結力をより一層強めたAppare!は、満を持して1月29日を迎えた。会場外にはこの日に向けた「1万個のてるてる坊主チャレンジ」で集まった大量のてるてる坊主が飾られ、その甲斐あってか、日本武道館の屋根に輝く黄金の“玉ねぎ”の頭上には見事な快晴が広がっていた。
「ついに来たぞ! 日本武道館!」
場内にはこの日を長らく待ちわびていた大勢の竹の子が集まり、大きな期待感が充満。和太鼓や尺八の生演奏を交えながらOvertureが鳴り響いたのち、ステージ上の玉ねぎ型のセットの奥から登場したAppare!は「玉ねぎ、いただきます!」と高らかに叫んだ。そして「ついに来たぞ! 日本武道館!」という興奮と喜びに満ちた声を轟かせた彼女たちが「絶対猛信デイドリーマー 」で念願の日本武道館ワンマンの口火を切ると、夢が叶ったこの瞬間を祝福するようにカラフルなテープが場内に放たれる。2曲目「破天候シンデレラ」では扇子を手に躍動する7人の前方にファイアボールが噴き上がり、続く「OSHIOSHIO」ではのぼり旗を持ったキッズダンサーを従えつつ、メンバーが1人ずつ花道を通ってセンターステージへ。客席を見渡しながら笑顔いっぱいに自己紹介をする彼女たちに、観客は盛大な歓声を浴びせた。
次のブロックではTikTokで大きな広がりを見せた「ぱぴぷぺPOP!」を皮切りに、“TikTokメドレー ”へ突入。センターステージから会場全体に歌とダンスを届けるAppare!、その後ろのメインステージに登場した法被姿の大勢のキッズダンサーに合わせて、観客も思い切り全身を動かす。このほか、ヒャダインこと前山田健一が提供し、日本武道館ワンマンの夢を追う情熱を詰め込んだ「コードネーム:O.N.I.O.N」もセットリストに。ライブが進むにつれて会場のボルテージが右肩上がりに上昇していった。
てるてる坊主チャレンジでギネス世界記録
日本武道館公演が実現するまでの日々を振り返る幕間映像が上映されたのち、Appare!は昨年8月の日本武道館での生配信で着用した衣装に着替えてステージへ。「シンフォニア」「希望のヒカリ」など、メンバーの力強い決意やファンとの絆を描いたエモーショナルな楽曲を畳みかけていく。この日まで積み重ねられたAppare!と竹の子の万感の思いが膨れ上がったかと思えば、アコースティックバージョンで披露された「汽水ガール」では7人が玉ねぎ型のステージセットに腰掛けて温かな歌声を響かせ、観客を優しく包みこんだ。
その後、Appare!は「1万個のてるてる坊主チャレンジ」でメンバーと竹の子が作ったてるてる坊主の数が目標の1万を超え、1万3999個に達したこと、この数がギネスの世界記録に認定されたことを報告。「今日の天気にぴったりな新曲をお届けします」と告げると、新曲「本日は晴天なり」を晴れやかな表情で歌唱した。続いて田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が提供した新曲で、本公演の前日にミュージックビデオが公開された「新世紀ヒットパレード」も披露された。メンバーの動きに合わせて観客が隣同士で肩を組んで連なり、大きな一体感が生まれる中、彼女たちは「Appare!は永久に不滅です」と宣言。そこから怒涛のラストスパートへとなだれ込み、「キミだけのワンダーランド」の落ちサビ前には「僕らはいつも以心伝心」という息の合ったコールがこだまする。さらに「アッパライナ」「アガレ!」「Summer spit!」を通して一枚岩の熱量が生まれた。
Appare!が次に掲げる夢は
アンコールに突入すると、Appare!は8月の日本武道館公演で着る予定だった衣装にチェンジ。「パレリラパレリラ」の曲中に客席に向けてカラーボールを投げるなど、観客を巻き込みながら日本武道館のステージを心ゆくまで堪能する。次のMCでは3月よりライブツアー「Appare!玉ねぎごちそうさま!ツアー2025」が行われること、Appare! RECORDS最後のアルバムが発売されること、今春にビクターエンタテインメントよりメジャーデビューすることが発表され、拍手喝采が沸き起こった。
ここでメンバーは1人ずつ自身の心情を言葉にして客席の竹の子に伝えていく。ラストに口を開いた朝比奈れいは「正直長かった、きつかった……しんどかったです、とても。でもそれ以上に楽しくて、すごく幸せでした。8年半、がんばって続けてきて本当によかったです。私は心の底からアイドルを信じています。これからもみんなを幸せにできるアイドルでいます」と目に涙を浮かべながら挨拶。そして「日本武道館はみんなが連れてきてくれた場所でした。次は、横浜アリーナに私たちがみんなをつれていけるグループになります」と次なる夢を発表し、その決意を後押しするような温かな歓声を浴びた。
達成感や終演を名残惜しむ思いなどさまざまな感情が場内に満ちる中、7人がラストに歌ったのは8月の日本武道館公演での生配信内で初披露した「大快晴ボンボヤージュ!」。昨年のリベンジを見事に果たし、晴れ晴れとした表情で歌うメンバーの前方に鮮やかな桜吹雪が舞う。すべての曲を歌い終えたAppare!はラストに竹の子とともに「玉ねぎ、ごちそうさまでした!」と叫び、夢の日本武道館ワンマンを無事に完遂した。
なお、この公演の模様を生中継したCSテレ朝チャンネルでは、3月23日14:00よりライブ映像の完全版が放送される。
セットリスト
「Appare!やったれ武道館~絶対!玉ねぎいただきます!~」2025年1月29日 日本武道館
01. 絶対猛信デイドリーマー
02. 破天荒シンデレラ
03. OSHIOSHIO
04. 未体験 Be Alright!
05. Wai Wai ダンスフィーバー
06. TikTokメドレー
・ぱぴぷぺPOP!
・いいかんじっ!
・なんとかなーれファンファーレ
・好きだ、まじで!
・特注オートクチュールダンス
07. 一生スマホ触っていたいの♡
08. 超絶スーパーLOVE!
09. アイネクライネ幼き恋だね
10. コードネーム:O.N.I.O.N
11. シンフォニア
12. 希望のヒカリ
13. ダフネ
14. 汽水ガール(Acoustic ver)
15. 青いフレア
16. 本日は晴天なり
17. 新世紀ヒットパレード
18. キミだけのワンダーランド
19. アッパライナ
20. アガレ!
21. Summer spit!
<アンコール>
22. ホットラブウィンター
23. パレリラパレリラ
24. I YOU WE OUR
25. 大快晴ボンボヤージュ!
ライブ情報
Appare!玉ねぎごちそうさま!ツアー2025
2025年3月20日(木・祝)福岡県 BEAT STATION
2025年3月22日(土)大阪府 ESAKA MUSE
2025年3月23日(日)愛知県 名古屋ReNY limited
2025年3月30日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2025年4月6日(日)東京都 ステラボール
オンエア情報
CSテレ朝チャンネル「<完全版>Appare!やったれ武道館~絶対!玉ねぎいただきます!~」
2025年3月23日(日)14:00~
提供元:音楽ナタリー