今年4月に訪比した石破茂首相から大阪・関西万博に招待されたことを受けて19日に大阪に到着したマルコス大統領は20日、訪問先の大阪市で観光庁やJTBなど日本の大手旅行会社の代表らと会合を持った。また、別の会合でセブ州に進出する日本の造船大手、常石造船の代表とも面会するなど精力的にビジネス関連会合に出席した。
マルコス氏は観光関連の政府機関や旅行会社、航空会社の代表らが集まった会合で「われわれは国民の雇用をさらに増やし、ビジネスを成長させ、さらに多くのコミュニティーが強力な観光セクターのインパクトを感じることが出来るよう注力している」と述べ、日本人観光客の誘致に努めていることを強調した。
また、大統領は同日、別の会合で常石造船の代表らとも大阪市内で面会し、同社からセブ州バランバン町にある造船工場で第5期拡張事業を実施中であることや、この造船施設で現在、同社初となるメタノール燃料ばら積み貨物船を建造中であることなどの報告を受けた。
大統領はこの会合について「新造船はクリーンでスマートな海運産業に向けたゲームチェンジャーになる」と表現した上で、「これはわれわれがイノベーションや強力な(比日の)パートナーシップ、そしてフィリピン人労働者の人材を通じてわれわれが達成できることを証明している」と同社の取り組みを高く評価した。
一方、マルコス氏は20日、大阪・関西万博会場にあるフィリピン館を視察した。フィリピン館は、万博開幕から2カ月間で30万人を超える入場者を記録するなど人気となっているという。
大統領府のカストロ報道官は20日の記者会見で、マルコス大統領による大阪訪問について、「今回の訪問は、世界にわれわれの文化の豊穣性、フィリピン人材の有能さや勤勉さを示し、すべての比人世帯が恩恵を受けられるようなさらなる投資を促す機会である」と説明している。
マルコス大統領は21日まで大阪で様々な会合やイベントに参加する予定。(澤田公伸)