上下両院協議会は9日、外国人投資家などによる民間所有地の借地期間を現行の最長75年から99年に延長する投資家借地法改正法案を承認した。同法案はマルコス大統領が議長を務める立法行政開発諮問評議会により6月末までの第19回議会審議での優先法案に指定されていた。今後、大統領府に法案が送られ、マルコス大統領の署名を経て発効する見通し。10日付け英字紙ビジネスワールドが報じた。
上院法案の起草者であるエスクデロ上院議長は10日の記者会見で、「これは外国人に対して憲法で禁止されている土地所有を実現できなくともビジネスに参入することができる幅広い経済的選択肢を付与することを意図している」と強調し、外国人投資家による比への投資促進につながると自信を示した。
外国人による借地期間を最大99年まで延長することで、比はシンガポールやマレーシア、インドネシアにおける外国人による借地権の水準と同等のレベルまで引き上げられることになるという。
両院協議会で承認された同法案によると、税優遇措置再検討委員会(FIRB)による事前承認に基づき、特定の投資家に対して99年より短い借地期間を課す権限を大統領に認める条項が含まれている。また、外国人投資家は借地を第三者に転貸しすることも認められているが、転貸し契約の期間が25年を超える場合には登記官に当該契約を登録することが義務付けられている。
さらに、同法案に違反する違法な借地契約を結んだ外国人投資家に対しては、100万~1000万ペソの罰金、または最高6年までの禁固刑が科される。
同法案が発効した後に、投資委員会(BOI)と土地登記庁が合同で、FIRBなどからの意見も取り入れて施行規則を策定することになっている。(澤田公伸)