2月24日に着任したばかりの神田真人・アジア開発銀行(ADB)新総裁が26日、大統領府でマルコス大統領を表敬訪問した。神田総裁は大統領との会談で、「フィリピンの経済成長の勢いを維持することが出来るよう、マルコス政権に対するさらなる支援を提供する」と約束した。
神田新総裁は会談で、「フィリピンが過去4年間で平均経済成長率6・1%を達成しているほか、国民の貧困率も削減されている」と称賛した上で、「ADBによるフィリピンへの介入としては今後も、インフラ開発と国民の生計の保護に向けた対策とのバランスを取ることになる」と強調した。
また、神田氏はADBのホームページを通じた声明でも、「われわれの敏感な財政支援と強力な政策アドバイス、そして地域における協力は経済成長の利益をすべてのフィリピン人が感じることが出来るよう手助けすることが目的。われわれはフィリピン全土でインクルーシブな成長を深化させるための長期的な連携を築いてゆきたい」とこれからのADBでの5年間の任期における抱負を語っている。
一方、マルコス大統領は神田新総裁による支援約束の表明を歓迎した上で、「ADBは(開発イニシアチブの分野で)フィリピンの最も重要なパートナーだ」との立場を表明した。また、「過去の年月、特に最近数年でのADBによる支援は増えている。それはとても勇気づけられるものであり、とても将来を約束してくれている」と高く評価した。
ADBによると、同行は現在、総額102億7000万ドルの財政支援をフィリピンに対して実施している。同行による具体的なインフラ支援事業としては、ラグナ湖岸道路接続事業やバタアン~カビテ連絡橋建設事業、マロロス~クラーク鉄道建設事業やサウスコミューター鉄道建設事業などが含まれている。
また、ADBは、比政府の進める気候変動アクションプログラムやユニバーサル・ヘルスケアプログラム、競争力がありインクルーシブな農業開発プログラム、フードスタンププログラムなどへの財政支援も行っている。