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11月1日のまにら新聞から

開放政策は正しいか?   

[ 620字|1999.11.1|社会 (society)|新聞論調 ]

現政権の憲法改正議論

 エストラダ政権の進める憲法改正議論がいま困難に直面しているのは、それがラモス前政権の進めた憲法改正議論といつも同一視されることにある。中でも、前回の議論で問題になったラモス政権を永続化させるという「隠された目的」が今回も取りざたされているからだ。

 前政権の憲法改正議論は過去のものとなったが、エストラダの進める議論はほかにさまざまな問題を抱えており、国民への説得に苦労している。その重要な問題の一つは、フィリピン経済を世界資本の標的にするという開放政策にあると言える。

 つまり、現政権は、外国人による土地所有や天然資源の利用、また報道機関の所有などを禁じた憲法の条項を撤廃することによってしか、経済の即効的な発展はありえないと考えていることだ。 

 民衆のチャンピオンだったエストラダ大統領はいま、無意識のうちに国内の経済エリートたちの論理に組みしてしまっている。

 外国人の所有を制限している憲法条項の改正がこれまで問題にならなかったのは、それが外国資本にとって投資の邪魔にならなかったからだ。むしろ彼らにとって問題なのは政権にはびこる汚職問題なのである。

 民族主義的条項はそれでも良しである。民族主義の傾向が強い中国への外国投資が依然衰えないのを見れば、それは経済論理の妨げとはならないといえる。我々が必要としているのは、大げさなジェスチャーや打ち上げ花火のいらない、堅実で良好な政権運営だろう。(29日・タイムズ)     

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