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3月3日のまにら新聞から

保身か、正しい選択か 米軍への基地開放

[ 779字|2024.3.3|社会 (society)|新聞論調 ]

 人類が直面する最も困難な試練は、自らの意志と幸福に反して服従を求められることだろう。ポンテオ・ピラトは、無実のイエスを釈放し「正しいこと」をして暴動が起きる危険を冒すか、政治を暴力的な混乱から救い保身のために「十字架にかけろ!」と叫び、イエスを不当に処刑すべきか、難しい選択を迫られた。彼はエルサレムの平和な過越祭のためにイエスを犠牲にする道を選んだ。

 ピラトのように、とりわけ指導者が直面する決断は、何が正しく何が間違っているかを曖昧にするだけでなく、その立場が、便利だが不当な選択の言い訳になることも多い。

 さて、比国軍の基地を米軍に開放するかどうかの問題である。マルコス大統領は2023年1月に北京を公式訪問した際、「アジア太平洋地域の将来は他の誰でもなく、アジア太平洋地域が決定しなければならない」と訴え、比の役割そして国益は「片方の味方を強要されるような、古い冷戦方式に引き戻される事態を許さないことだ」と語った。そして「米国は中比の第三当事者になることを提案してきたが、それは成功しないと言った」と明かした。

 一方、米国の圧力は、彼に中立を放棄させただけでなく、忠実で愛国的だった安全保障顧問のクラリタ・カルロスを追い出させた。カルロスは、更新されない限り4月に失効する比米防衛協力強化協定(EDCA)、訪問軍協定、相互防衛条約を見直すことになっていた。

 主要な政治家やメディアは、たとえ米軍が使用する施設が攻撃されることには同意していても、EDCAの施設や周辺地域が直面するであろう荒廃や核汚染の危険性には口をつぐみ、軍備や基地の増強に手を貸している。

 信者は「御心のままに」と無私の答えを常に求めている。EDCAの期限切れか更新か。比の指導者が、国家にとって正しく公正なことを行うという本来の役割に従うことを期待したい。

新聞論調