特別作戦室設置は急務 国はサイバー犯罪への備えを
司法省の1日の発表では、全国のサイバー犯罪関連事件は今年、2022年の同時期と比べて400%上昇した
司法省の1日の発表では、全国のサイバー犯罪関連事件は今年、2022年の同時期と比べて400%上昇した。同省の担当者によると、最も多いケースは恋愛、投資、税金に関する詐欺で、フィッシングもそうだ。
サイバー犯罪の手口に気づかなかったり、報告に気が引けたりと、実際はもっと多いはずだ。しかし、400%以上であれ、政府にこの脅威と闘う能力があるのか、あるいは最前線に立つべき人々に問題への十分な認識があるのか、人々はそれを疑問に思っている。
マルコス大統領が最初に署名した法律の中に、昨年10月10日に制定された共和国法第11934号(SIM登録法)がある。施行細則が12月27日に発表され、同法の実施は今年7月30日まで続いた。未登録の加入者IDモジュールの無効化も実施され、電気通信会社の報告では、全国に流通していた約1億6800万枚のSIMカードのうち、約1億1400万枚が登録され、残りの5400万枚以上が無効化された。
一方でSIM登録の抜け穴として、「詐欺師」が未使用のSIMを入手し、それでバイバーやワッツアップ、テレグラムといったオンライン・メッセージ・アプリに入るワンタイムパスを取得しているという。これらのSIMは登録されるまで休止状態であり、ユーザーはワイファイ接続を通じて着信通話やテキストメッセージを受け取ることができるが、発信通話は制限されている。
国家警察はデジタル詐欺件数が、約50%減少したと指摘し、グローブテレコムも、今年前半だけで約22億件のメッセージをブロックしたとしている。
他国では、政府機関や防衛施設、銀行システムなど重要な公共インフラを狙った海外からのサイバー攻撃と戦うため、特別作戦室に相当するものを設置している。フィリピンも、この新しいタイプの戦争に向けた設備と熟練した人材を備えた作戦室の設置は急務だ。(2日・スター)