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6月4日のまにら新聞から

新聞論調 羨望と陰謀 アロヨ氏降格騒動

[ 676字|2023.6.4|政治 (politics)|新聞論調 ]

マルコス大統領には3人の存命の前任者がいるが、その中でもアロヨ氏は異彩を放っている

 マルコス大統領にはエストラダ、アロヨ、ドゥテルテという3人の存命の前任者がいるが、その中でもアロヨ氏は異彩を放っている。アロヨ氏の父マカパガル元大統領は、再選を狙う65年の大統領選で当時上院議長だった父マルコスと戦い敗れた。父の世代では政敵だった両家だが、子の世代では盟友となっている。

 故マルコス元大統領に次いで長い9年間の任期を全うしたアロヨ氏の経験をマルコス現大統領は高く評価している。現に、大統領の外遊のほぼ全てにアロヨ氏は同行している。しかし、そのような役割が羨望(せんぼう)と陰謀を産んだ。

 優秀な大統領だったアロヨ氏は野心的な政治家が利用できる盟友と票田を持っている。そのため、みこしであれ実態を伴うものであれ、潜在的な新興野党の旗手とみなされる。だからノイノイ・アキノ元大統領政権下でアロヨ氏は4年近く自宅に軟禁された。

 最近のアロヨ氏の下院ナンバー2からの降格劇は「ルイーズ大統領夫人はアロヨ氏がロムアルデス議長から議長職を奪い取ることを支持している」といううわさを生じさせた。

 アロヨ氏は「ルイーズ夫人まで下院クーデターという幻想に巻き込んでしまい残念だ」との声明を出した。その中で同氏は「大統領の同意がなければ下院クーデターは成功しないことは歴史的事実。私のささやかな貢献で成立したユニチーム(マルコス・サラ同盟)に亀裂を作ることはしない」と指摘。「このような哀れなうわさを流す人は、国民をだますことを止め、国家の進歩に積極的に貢献するべきだ」と苦言を呈した。(5月30日・スター、コラムニスト・トニー・ロペス)

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