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5月7日のまにら新聞から

伝統の重要性教えてくれる 英国王の戴冠式を前に

[ 724字|2023.5.7|社会 (society)|新聞論調 ]

世界中が6日の英国王チャールズ3世の戴冠式を待ち望んでいる

世界中が6日の英国王チャールズ3世の戴冠式を待ち望んでいる。マルコス大統領とルイス夫人がフィリピンを代表して出席するが、王室のメンバーと英国および英連邦の国民に対し心から祝福を送りたい。

 チャールズ国王は、環境保全や持続可能な開発など、さまざまな活動に熱心だ。戴冠式に向け、招待状のデザインや儀式衣装の創造的再利用、贈り物における「環境にやさしい」テーマが注目を浴び、英国メディアは国王を「緑の王」と呼んでいる。国王自身が戴冠式で新しい衣装を作らないよう命じたともいう。

 戴冠式を象徴する贈り物として、全国の小学校に20万袋分の種子が贈られ、子どもたちに撒くことが期待されている。これは、英国西部のハイグローブ邸の草地1・6ヘクタール同様に自然への関心を反映したものだ。

 バッキンガム宮殿の声明では、戴冠式は「ロンドンのウェストミンスター寺院で行われ、カンタベリー大司教が執り行う」という。「長年の伝統と華やかさに根ざして今日の国王の役割を反映し、未来へ向けたもの」としている。同式典ではまた、国王と並んで王妃の戴冠も予定される。

 国王は環境保全に加え、芸術と人文科学のたゆまぬ擁護者であり、人権と社会正義の確固たる提唱者でもある。さまざまな慈善団体や団体活動を通じ、貧困や不平等の根本原因への理解も広い。国王以前の約60年間、皇太子として長く地道な活動を続けてきた。

 激動の時代にあって尊敬や安定、秩序を象徴する国王の戴冠式は伝統に従うこと、遺産の尊重などが依然重要なのだと思い起こさせてくれる。テレビとオンラインの視聴者は世界で数十億人に達するとされ、国王の一挙手一投足やその影響力・発言に耳を傾けたい。(6日・ブレティン)

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