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7月3日のまにら新聞から

6年間の仕事に「感謝」 任期終了のドゥテルテ大統領に

[ 704字|2022.7.3|政治 (politics)|新聞論調 ]

ロドリゴ・ドゥテルテ氏は2022年6月30日の正午までは大統領で、同世代には「ディゴン」、ダバオの住民には「永遠の市長」、ファンや信奉者には「タータイ(お父さん)」と呼ばれてきた

 ロドリゴ・ドゥテルテ氏は2022年6月30日の正午までは大統領で、同世代には「ディゴン」、ダバオの住民には「永遠の市長」、ファンや信奉者には「タータイ(お父さん)」と呼ばれてきた。

 同氏は最新の調査によると、エドサ革命による民主主義復活後の最も人気のある大統領であり、ファンも批判する者も結果的にその重要性を否定する者はいないだろう。フィリピンを麻薬国家への転落から救い、一生に一度とされる感染症大流行の危機を乗り切ることができたのは、ドゥテルテ氏がいたからだ。

 同氏は独自のスタイルやアイデアを携えて大統領の座に就いた。国民にとっての大統領のあり方自体を永遠に変え、人々も特権や権力のあり方に変化を希求した。

 一国の最高奉仕者として、同氏の頭には比人への善意以外はなく、麻薬戦争をはじめとする彼の凶暴な一面にも、最終的に若者を守るためという目的がある。外国人からの批判は、国家の主権に対する干渉だ。

 この6年間を振り返って、メディアやオンラインサイトは、ドゥテルテ氏の遺産についてページを割いている。専門家によると、それは現在だけでなく、次の世代にも影響を与える正真正銘のものだとの声が強い。税制改革や「ビルド(建設する)・ビルド・ビルド」プログラム、公立の高等教育機関における教育無償化、教員と兵士の給与引き上げ、マラウィ市の復興などが挙げられる。

 息子のダバオ市長への就任式に参加したドゥテルテ氏は政治家最後の演説で「与えられた時間内で最善を尽くした」とし「それでも足りなければ、申し訳ないがもう無理だ」と語った。私たちも彼に「ありがとう」と言いたい。(29日・マニラブレティン)

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