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5月29日のまにら新聞から

安定の布陣と困難な課題 次期経済閣僚

[ 667字|2022.5.29|政治 (politics)|新聞論調 ]

 ボンボン・マルコス次期大統領に関する最大の関心の一つは、経済閣僚人事だった。国民、市場関係者の多くはこの問題に不安を抱えていた。ボンボン氏は選挙期間中、一般論的な政策しか掲げなかったからだ。

 しかし、同氏はこの不安に対し、国家経済開発庁(NEDA)長官にバリサカン氏、財務相にジョクノ氏、貿易産業相にパスカル氏を就けるという人選で応えた。

 ノイノイ政権でNEDA長官を経験済みのバリサカン氏は、公正取引委員長も務めた。ノイノイ・アキノ政権時代は比現代史の中で高い経済成長率を記録した時期。同氏の任命はコロナ禍からの経済回復の兆しとなるだろう。

 ジョクノ氏の財務相内定は比にとってさらに望ましい兆候だ。同氏はドゥテルテ政権で予算管理相、中央銀行総裁を歴任。ドミンゲス現財務相と共同歩調をとってきており、現次官・次官補の多くを留任すると発表している。

 パスカル氏は3人の中でも格別の経歴を持っている。同氏はフィリピン大元学長として、同大の研究活動を拡大したことで最も知られている。アジア開発銀行での経験もあり、比経営者協会代表も務めている。

 残る重要ポストは予算管理相だ。内定者3人が最適の人物を助言すると考えられるから、同様に良い人選となるだろう。

 ただ不幸なことに、現在の経済はドゥテルテ氏就任時ほど余裕がない。歳入増と家計・中小企業の負担軽減という矛盾する目標を同時に達成することを迫られている。そのためには現政権の政策継続だけでは不十分。新しい政策を案出できるかが試されている。(28日・マニラタイムズ)

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