国際問題により関心を 米国の9・11から20年
2001年にニューヨークで起きた9・11同時多発テロから20年を迎えた
2001年にニューヨークで起きた9・11同時多発テロから20年を迎えた。「対テロ戦争」は、9・11直後から始まった。攻撃された米国がテロリストに報復するという脚本だった。
しかし、現実はより複雑なものとなった。第2次世界大戦後の約70年が比較的平和な時代だったと思いたいが、多くの紛争があり多くの人命が失われてきた。
世界中にいるフィリピン人は、人々の生活を支える重要な仕事に就いている。そのため、しばしば紛争の戦火に巻き込まれ、取り残されもする。私たちは国際問題に関心を持ち、比人と紛争や戦争との関わりについて考えていくべきだ。
9・11直後、米議会は「9・11のテロ攻撃を計画、許可、実行、支援したと(大統領が)判断した国や組織、個人に対し、適切な武力行使を行う」とする法律を可決。反対したのはカリフォルニア州選出のバーバラ・リー議員のみで、420人全員が賛成した。リー議員は「国が制御不能に陥らないように、今私たちが行う行動の意味を考えて」と言い残した。
米国内のスパイ活動やテロリストの投獄も含まれるが、この法による武力行使が適用されたのは19カ国で41回に及ぶ。うち1カ国は比という事実に驚きを隠せない。
リー議員は唯一反対票を投じたことを、米国人とともにテロの犠牲者を悼みながらも次のように訴えている。「正義を求めるあまり、自らが憎むべき悪になってはならない」(8日・インクワイアラー、教授マイケル・タン)