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5月30日のまにら新聞から

前政権の妄信的対米忠誠心 エンリレ氏の指摘

[ 652字|2021.5.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 結局、スカボロー礁を手放したのは米国を妄信していたノイノイ・アキノ前大統領とその官僚たちだ。クイシア元駐米比大使は、2012年に比中が同時にスカボロー礁から撤退するという合意を当時のキャンベル米国務次官補が仲介したことを認めている。

 エンリレ元上院議員は「ノイノイ・アキノ政権は比中が同時に撤退する合意があると信じ込み、事実を確認せず行動したために致命的な失策を犯した」と指摘した。長年、国に尽くしてきた同氏は、ノイノイ・アキノ元大統領とその官僚が米国の言葉をうのみにしたことを嘆いた。

 仮に合意があったのなら、元大統領は中国が撤退しなかったことを中国に突きつけるべきだった。「しかし、そんなことは起こらなかった」と同氏は振り返る。

 カルピオ元最高裁判事がスカボロー礁は比米相互防衛条約に含まれると主張していることについて、エンリレ氏は同条約を読むよう助言した。同条約の規定では、戦闘機や軍艦への実際の攻撃があった場合のみ、この協定を発動できるとある。

 同氏は「比米相互防衛条約が北大西洋条約機構(NATO)のように、特定の脅威に対し自動的に発動する協定に改定されない限り、実際にどの国との紛争が起きても米国が助けに来てくれるとは思えない」と述べた。

 米中がともに自らの国益を第一に行動しているのに、ノイノイ政権は米の意向に従っていたに過ぎなかった。しかし、それはドゥテルテ政権で変わった。大統領の中立的外交政策により、両大国から利益を得られるようになった。(23日・トリビューン)

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