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10月4日のまにら新聞から

多くの助け合いと分担を 多国間主義の重要性

[ 635字|2020.10.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 国連は9月21日に創立75周年を迎え、「われわれが望む未来、多国間主義堅持への集団としての再確認」をテーマに総会などのイベントを開催した。

 多国間主義とは、学者が長年、研究してきた国際関係論の概念で、国際的な規範を重んじて国際機関に大きな敬意を払うことが求められる。自国の政治や商業的利益に固執する「一国主義」とは対照的な概念である。また、他を排した形で、特定の国と同盟を結ぶ「二国間主義」という概念もある。

 ドゥテルテ大統領は国連総会の演説で、新型コロナウイルス対策に関連して、多国間主義を履行することを確認した。

 大統領は「国連が人類にとって、不可欠な組織であることに変わりはない。ただ、国連自体も変革が必要だ。早急な課題に対応できるよう、作り変えていく必要がある」と述べた。

 中国の習近平国家主席も国連での演説で、コロナ危機から気候変動に至る今日の主要な問題について、多国間主義の重要性を強調した。

 中国は、国連と世界保健機関(WHO)のコロナ禍に対する取り組みに今後2年間で20億ドルの寄付を改めて約束した。開発を進めているワクチンも「世界の公共財」にすると宣言した。

 ローマ法王も、国連から世界に向けて多国間主義を呼びかけた。

 分断と利己主義、一国主義がまん延している世界で、より多くの国とその指導者が多国間主義の原則を堅持し、世界情勢の中で助け合い、負担を分担する共同行動を取ることが必要だろう。(9月30日・マニラブレティン)

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