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9月4日のまにら新聞から

科学者・文化人の英雄は? 比紙幣の肖像画

[ 781字|2020.9.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 8月31日の英雄の日は誰もたいして気に留めず過ぎ去った。中央銀行が10年ほど前、新貨幣について協議した際、筆者は色調やデザインの修正ではなく、人物像を変えることを提案した。実はわが国の貨幣の人物像は1951年に中銀が初めて発行してからあまり変わっていない。

 破滅的な戦争が終わって6年後に発行された貨幣に登場したのは、アポリナリオ・マビニ(1ペソ)、ホセ・リサール(2ペソ)、MHデルピラールとグラシアノ・ロペス・ハエナ(5ペソ)、ゴメス、ブルゴス、サモラの3神父(10ペソ)、アンドレス・ボニファシオとエミリオ・ハシント(20ペソ)、アントニオ・ルナ(50ペソ)、タンダン・ソラ女史(100ペソ)、ケソン大統領(200ペソ)、ロハス大統領(500ペソ)。女性は1人、比米戦争に関与したのは2人、20世紀に活躍したのも2人だけだった。

 19世紀の英雄たちはその後コインの図柄になり、ラプラプが1センタボ硬貨に。紙幣には日本時代の殉教者だった3人(千ペソ札)を除いて、すべて戦後の政治家が採用された。でもなぜ今もケソンやロハスなのか。グロリア・マカパガル・アロヨの図柄が一時、200ペソ札裏面に印刷されたが、ターシャに変更された。500ペソ札にはコリーとニノイのアキノ夫妻が登場し、アキノ3世大統領の署名が入った。女優のクリス・アキノらが加われば完全な家族版になる。

 私にとっての英雄2人が先週、この世を去った。著名な経済史家のベニート・レガルダ博士と劇作家のヒルダ・コルデロ・フェルナンド氏だ。国のために命を捧げるのは最高の犠牲心だが、英雄になるのに死ぬ必要はない。文化や科学分野の英雄は生きながら、作品や遺産を通じ我々の生活を豊かにしてくれる。彼らがほほ笑む肖像を載せた新紙幣を見てみたいと願っている。(2日・インクワイラー、アンベス・オカンポ)

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