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8月14日のまにら新聞から

観光業者に融資支援を 上下両院の関連法案

[ 759字|2020.8.14|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピン経済は常に不安定で、72%が個人消費に依存している。言い換えれば、人々による食品や住宅、電力、衣料、レジャー、教育、耐久製品、通信機器への支出が経済なのだ。そこにホテルやレストランなどのビジネスも含まれる。コロナ禍を受けた強硬な防疫措置により人々が消費を控えた結果、経済は終末のような状況を迎えた。政府は第2四半期の経済成長率をマイナス16・5%と発表し、国内総生産の6分の1が消失したことが分かった。英銀行大手HSBCは比の今年の成長率がマイナス9・6%まで落ち込むと予測した。過去2年間のプラス成長を帳消しにする計算だ。

 観光業は比経済の輝く成長株だった。ホテルやレストラン、航空業界などへの出費を通じ個人消費を押し上げ、外貨も稼いだ。観光業は国内総生産の12・7%を占め、半導体輸出に次ぐ稼ぎ頭で、ボラカイ島が閉鎖されてもその1年間で9・9%成長を見せた。

 労働集約産業でもあり国内労働者の13・5%を養っているが、コロナ感染拡大による観光客の移動制限により顧客を失い、固定費の支払いで赤字経営を強いられている。6月末時点で799万人に達している失業者の多くは観光関連産業で働いていた。

 議会上院で100億ペソの予算で観光関連企業に融資支援する法案が通過した。一方、下院では同じ100億ペソで道路や空港など観光関連インフラ事業への予算措置を講じる法案が通過している。融資支援は困難に直面する企業を直接支援するので、総額が十分でなくとも、いくばくかの企業が生き延びることができる。しかし、観光インフラ事業への予算措置の一部は汚職などで消えてしまう可能性があり、国民の血税の使い道としては賛同できない。両院協議会でぜひ上院法案を採択するよう期待する。(12日・スター、アンドリュー・マシガン)

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