香港と同じ人権状況に比も直面? カトリック司教協議会
比カトリック司教協議会のダビッド議長代行の信者へのメッセージを以下に紹介する。
ミャンマー・ヤンゴン大司教区トップで、アジア司教協議会の代表を務めるマウン・ボー枢機卿から書簡を受け取った。中国により国家安全法が施行された香港に対する教会や信者たちの祈りを求める緊急要請だ。同法の施行でいかに香港の人々の基本的自由や人権、特に表現の自由が侵される脅威に直面しているかを枢機卿は説明した。中国政府は「国家の安全保障に脅威を与えるような活動に関与しない限り、香港の人々は恐れる必要はない」と言うが、この表現がフィリピンにとって恐ろしいほどに馴染みがあるのはなぜだろうか?
我々はボー枢機卿に香港のための祈りに参加することを約束したが、同時にテロ防止法が施行されたフィリピンのためにも祈りをささげて欲しいと要望した。国中がコロナを警戒する中、国会で法案が一気に可決されたことに驚きを禁じ得ない。弁護士団体や学識経験者、市民団体や労働団体、財界やバンサモロ自治政府まで多くの有権者が反対表明したのにだ。我々の選んだ議員たちは民の声よりも上からの圧力に従わなければならないのか。人権侵害につながると懸念が出ているにもかかわらず、まるで中国政府のように「テロリストでなければ恐れる必要はない」と政府や議員たちは言う。
しかし、これまでに何人の活動家が共産主義者だとレッテルを張られ、何人の司教や司祭らが警察から国家転覆を図っていると名指しされたことか。どうして、何千人もの市民が麻薬密売容疑で殺され、確固とした証拠もなくデリマ上院議員が長期拘留され、民放最大手ABS—CBNも放送が停止されたのか。
「逮捕状なしの拘留」という手段は、マルコス政権が戒厳令を布告した時に最初に手掛けた法手続きだった。今となっては、政府機関で働く一人一人の役人たちが善意の心を持ち、憲法に基づいた行動を取ってくれることを祈るばかりである。(21日・スター、フェデリコ・パスカル)