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7月17日のまにら新聞から

道理を追いやるでたらめな政府 バイク二人乗り解禁の無意味な制限

[ 689字|2020.7.17|社会 (society)|新聞論調 ]

 最近のバイク二人乗りに関する政府のでたらめな対応は、行き当たりばったりの政府のやり方を象徴しているようだ。新型コロナウイルス対策でルソン地方全域が封鎖されて以降、バイクの二人乗りはの感染防止のため禁止された。コロナ対策の省庁間タスクフォースは、今になって同居のカップルに限って認めた。運転者と同乗者の間にプラスチック製シールドを設置することも義務付けられている。

 ロケ大統領報道官は先週、許可するのは既婚のカップルのみで、きょうだいや同棲カップルは除外すると述べた。しかしその後、アニョ内務自治相が、同居する異性カップルの二人乗りを認め、同性の同居カップルの許可も検討中とした。夫婦は身分証明書か結婚証明書を、事実婚の場合は住所を証明する文書を、検問所で提示する義務があるとも述べた。従わない場合は、既存の規則によって罰せられる。

 地方自治体関係者や一部の議員はバイクの二人乗りの解禁を主張してきた。公共交通機関の運行が限られるなか、低所得者層には数少ない移動手段だからだ。ところがタスクフォースは不要な制限を課している。レクト上院議員やオン下院議員らは、普段、濃厚接触しているカップルがバイクに乗る時だけシールドを使っても何の意味もないと皮肉る。シールドは交通安全上もリスクがあるうえ、汚職の温床にもなると同議員らは言う。

 より多くの市民に職場復帰してもらう必要性を考えれば、同居人の二人乗りを認めることは良いことだろう。結婚で線引きすることは、官僚主義でさらに市民を苦しめることになる。シールドについてはくだらないとしか言いようがない。(14日・スタンダード)

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