先の見えない学校再開 オンライン教育の導入も困難
ブリオネス教育相は、新学期を8月24日に開始すると言うが、まず無理だろう。ドゥテルテ大統領は先日の演説で、新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまで、比全土の幼稚園から大学までの学校で対面の授業は再開しないと繰り返した。コロナ対策の省庁間タスクフォースの構成機関である教育省と高等教育委員会もこの方針を支持している。しかし、ワクチンがいつ接種可能になるかは不透明で、大統領も、子どもたちがさらなる影響を受けることは認めざるを得なかった。
教育相は以前、オンライン教育・家庭学習・距離をとって教える対面教育の3つからなる「混合教育」を提案していた。しかし、国民の収入やデジタル環境の格差を考えれば、オンライン教育が全国で実現可能とはとても思えない。全生徒に必要な設備を購入するのは予算面で不可能で、大統領も認めていない。現段階では、教育省は通信大手2社のグローブとスマートとの会合を重ね、全国の教員らが単一のアカウントでインターネットを使えるようにする方針を掲げている。
高等教育委員会は、生徒たちの学習のために公共のインターネットが使用できる場所を増やすべきとしている。さらに、休校措置で給与を支給されていない、非正規雇用を含めた約5万人の私立学校の教員を代表して「バヤニハン法」による支援を議会に要請し、ガチャリアン上院議員は同法が延長されれば、助成金の緊急支援の対象に教員も含めると発表した。しかし、延長には至らなかった。現金支給が汚職につながると大統領が疑ったのかもしれない。(8日・スター、マリチュ・ビリャヌエバ)