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5月2日のまにら新聞から

パンデミックはいつ収束するのか 経済への影響と変革について

[ 877字|2020.5.2|社会 (society)|新聞論調 ]

 パンデミックから多くのことを学びつつある。重症急性呼吸器症候群(SARS)から学んだ台湾が今回示したように次の災害に対する備えをいつも心がけておくことが重要だろう。防疫強化期間ではミサや集会、イベントが禁止され、公共交通機関も停止させられた。パンデミック後はどんな経済が待っているのか。

 レストランはビジネス形態が大きく変わるだろう。テーブルに客1人しか座らせず、ビュッフェスタイルも出来なくなる。テイクアウトが中心になるだろう。

 また企業の働き方改革も進む。在宅勤務が浸透し始めた企業は、労働者が長時間通勤して本社まで通う必要はないと考える。不動産調査会社コリアーによると、比の顧客企業の中でも従業員の居住地域に近いケソン市に勤務拠点を別に置くことを検討する動きが出ているという。

 旅行会社は今後1〜2年は存続すら厳しいかもしれない。航空会社の倒産も多いだろう。座席の間隔を空けるソーシャルディスタンスを導入する必要があるため、航空運賃も上昇するだろう。国際航空運送協会によると今年度の世界航空業界の損失は2520億ドルに達する。乗客輸送能力も9割カットされている。

 また世界の国際空港がいかに巨大かを思い知ることになる。多くの空港で閑古鳥がなき、駐機する航空機であふれかえる。サンミゲル社が建設を目指すブラカン空港や、地方自治体が提案するカビテ・サングレー空港拡張事業も緊急性が失われたかもしれない。

 航空会社の生き残りは自国政府からいかに経済支援を得るかにかかる。しかし比政府から支援が得られるかは難しいところだ。フィリピン航空はパンデミック以前から財政危機に見舞われているが、各国で留め置かれた比人就労者らの帰還便を出し、中国から防護服を比に運ぶなど様々な貢献を行っている。社主のルシオ・タンが比や中国などに持つ不動産や金融資産が後ろ盾となって経営が続けられているが、はたしていつまで持つか。

 すべての業界について言えるが、今後の経済見通しはパンデミックがいつ収束するかにかかっている。(29日・スター、ブー・チャンコ)

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