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4月5日のまにら新聞から

暮らし切り捨てず、復活を 新型コロナ防疫策

[ 653字|2020.4.5|社会 (society)|新聞論調 ]

 新型コロナウイルス疾患との闘いで、もし大統領の宣言とバヤニハン(助け合い)法の起草者が、明確な言葉遣いで、政策実施の日程をきちんと書いていたら、国民の混乱もあまりなく、フェイクニュースも少なかっただろう。

 また、戦いの敵が一つなのに、政策の発令や規制はあまりに多すぎる。まず大統領令第922号で全国公衆衛生緊急事態を宣言。次に国全体の災害状態を宣言する第929号を発令して、ルソン島の防疫を強化。「バヤニハン・トゥ・ヒール・アズ・ワン(団結して治癒する助け合い)」法(共和国法第11469号)では、国家緊急事態を宣言、政府の対処策を提供した。宣言の違い、相互の関係はどうなのか。市井の人は困惑するかもしれない。

 ルソン島の防疫強化期間は3月16日深夜から4月12日深夜までだが、バヤニハン法は3カ月間効力がある。封鎖を伴う防疫は非常に過酷で、市民を仕事や社会生活から遠ざけ、家に閉じ込めるため、人々は4月12日までに解除されることを期待していた。

 12日に終了するのか、延長するのか。ルソン島以外にも拡大するのか。ノグラレス内閣相は「まだ決定していない。保健省が決定の目安を出す」と述べている。

 だが、発言権は医学・疫学だけではなく、経済学や国民の生活必需品にもある。命と経済のどちらを選ぶか、と迫るのは誤りで、一方を切り捨てる選択は拒否すべきだ。企業、経済、そして国民自身が12日(復活祭の日曜)の復活を望んでいる。比喩ではなく、国民の祈り、願いそのものなのだ。(3日・マニラタイムズ)

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